ニック ホーンビーの「よい人になる方法」買おうかどうか思案している。「迷うことないじゃん。文庫本だしぃ」と思われるむきもあろうが、ちょっと待った。思案しているのは清貧だから・・・だけではない。当方老い先短い身ゆえ、つまらぬ本に時間を費やして人生無駄にしたくないのだ。ネット上の書評だと評判はいまいちのようだが、どうなんだろう、確か初の女性主人公の一人称だよね、う〜ん。結局こんなにうじうじ考え込むのが一番無駄な気がするが。

年を取ると懐古的になるのは自明の理というものだ。ホーンビーの「ハイ フィデリティ」はそんな初老の気持ちを上手にくすぐってくれる。映画の方を先にみたのだが、本はとにかくあの注解大爆発に感動してしまった。訳者の森田さんはきっと本文より注解の方にエネルギーを注いだに違いない。ニックや森田さんと同じ世代なので出てくる音楽や文化、風俗など(英国のTV番組などはちとわからなかったが)うなずく事ばかり。久しぶりに専門家の悦びを味わうことが出来た。ただし私は部屋にピーター・フランプトンのポスターを貼っていたが。アイム イン ユー いいじゃん。


ハイ・フィデリティ―シナリオ・ブック
とにかく主人公の恋愛なんて二の次。あの音楽の洪水と、オタクレコード店員二人と主人公の掛け合いが最高。映画で特に好きなシーンは、ダサい客に対してレコードを売らない所。いいなぁ、あんなわがままで、ゆるい商売してみたいよう。