社長日記のほりえもんさん、グルメですねぇ。あまたの有名料店で召し上がり、自らもまめに食材を吟味しては手料理をなさっている。たまには"今日はお茶漬けだけ"の日はないのか。まぁ食い物は万人向けの話題だし悪いことではないのだが、グルメではない人間にはちとつまらない。
 
そう私はグルメではないのだ。温かいご飯と漬物、お茶があればいい(人によってはそれもグルメと言うが)。美味しいものを食べるのはもちろん好きだが、そのために膨大な時間と手間を費やしたいとは思わない。だが今の時代、そんな人は少数派ではないだろうか。
特に20歳をすぎたいい年の女性が「私料理が出来ない」と宣言するのは大変な勇気がいる。どれくらい勇気がいるかと言うと、「私はセックス大好き!」と宣言するくらい・・・は大袈裟だが、まぁそれくらいだ。バリバリのキャリアウーマン(死語)でさえ趣味は「料理」というのは多い。というか出来る女ほど自分は料理好きっているのをアピールしたがっているように思う。料理が下手な女は軽蔑の対象になりえるのを、彼女たちは熟知しているのだ。
 
林望著「イギリスはおいしい」
実はリンボウさんのあまりのイギリスまんせーな姿勢に辟易して最近はほぼ斜め読みしかしないのだが、この本はいい。
まずイギリス人たちの料理に対する雑駁な姿勢が好きだ。
今食べている物の味やなんかを、ちまちま吟味するのではなく、料理なんてそれこそ刺身のつまで、それを囲んでのコミュニケーションこそ大事なのだ。いいなぁ。
それにつけても思い出すのは子供の頃。家に客が来ると、母は殆ど会話には参加せず、ひたすら料理を作っては台所と茶の間を往復していた。「せっかく来たのに、なぜ一緒にお話をしないのだろう」お客が帰った後、大量に残ったご馳走を見ながらいつも思ったものだ。
 
ところでもうすぐお正月だが、私はおせち料理が大好きだ。決して料理上手ではないが、あのちまちまとした作業、そしてひとつのお重が出来上がったときの達成感がたまらない。プラモデルが完成したときの感動に似ている。
 
料理は清潔でバランスの取れたものをシンプルに、もしくは遊び感覚で。それで充分だ。
 
 
 
見返りねこ
イギリスはおいしい