子供とは横暴な存在である。いつまでも母親が自分を愛していると信じて疑わない。普段は邪険に扱うくせに、いざ自分が不幸な時落ち込んでいる時、飛びこんで入けば、母親は両手を広げて自分を受け入れてくれると思い込んでいる。

ヘレン・フィールディング著「ブリジット・ジョーンズの日記」には、主人公のママがよく登場する。このキャラクターがまた強烈だ。(ブリジットが言う所の)おいしいシチューをつくってくれるだけのまるまっちい母親では絶対ない。我がままで、方々で恋の事件を起こし、周りに散々迷惑をかけながら反省の色がない。すばらしく魅力的なママだ!

彼女は「娘のためを思って」とか「心配だから」といったねっとりした母心を持ち合せていない。「こんなこと言ったら娘に嫌われる・・」といったオドオドした所もない。邪険に扱われても平気だ。やたら娘にバツイチの男を紹介したり、わけわからんパーティーに呼ぶのも単なる好奇心からだ。

このママはたぶん辛い子離れの時期を体験しているに違いない。そして苦しんだ末、「ただただ娘を心配する母親」より「自由に生きる女」を選んだのだ(それが正解!とは言い難いが)

そんな子離れしたママに比べ、娘はまだ母親に依存しているところがある。ママのぶっ飛んだ行動を見つめるブリジットは、なんだか寂しそうだし、自分が辛い目にあったことに気づかないママに、イライラするシーンもある。

その寂しさはやがて恋人が埋めてくれるだろう。そしてママはだんだん忘れ去られる・・・・・うーん、やっぱり母親とは割りにあわない存在だ。

ブリジッド