「個人教授」というフランス映画を観ていたときだ。主人公の高校生の男の子が、ある年上の女の人に夢中になり逢いたくてたまらない。とうとう授業中に「先生、帰ります!」といって女性のもとへ走る。

驚いたのは、帰りますと言われた先生も、「ああ、どうぞ」てな感じで全然意に返さないことだ。これが日本だったら絶対許してくれないだろう。(その高校生は別に不良ではない。ごく真面目な学生だ)。

当時中学生で、つまらぬ校則にうんざりしていた私は、個人主義が学生にも行きわたっているフランスの高校生を、羨ましく思った。

先日フランスの高校生が、バカロレア(大学入学資格共通試験)の入試科目削減に反対して、10万人以上の大規模なデモを行った。

フランスには高校生組合と言うのがあるのも、初めて知った。これが教員組合とスクラムを組んでこのたびのデモとなったらしい。教員と生徒は上下関係ではなく、同胞なわけだ。さすがフランス革命の子孫はすごい。

日本なら絶対ありえない事だろうな。「チッ、また試験内容変わるのかよ」とブツブツ文句を言いながらも、怠りなく新入試対策の準備をするのが殆どだろう。

どちらが良いか悪いかは愚問だ。お国柄、考え方が違うのだから。私見としては、そんなに大掛かりなストをするほど、悪い改正じゃないと思うのだが・・・リセエンヌ騒ぎすぎ。

さて、ソフィ・マルソー主演映画で「スチューデント」と言うのがある。美しいソフィーの肢体はまぁ置いといて、この中では真摯に勉強に励む大学生の姿が活き活きと描かれている。どんなに猛勉強中でも、バカンスと恋は忘れないというのがいかにもフランスという感じだが。

またこの国ではフランス語の授業が多く、国語が重要視されているのもよく分かった。

個人主義で自由で自国の文化を大切にする、ちょっと付き合いにくい感じだが、彼らの真摯な姿勢には清々しさを覚える。

     

 枯葉


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