先日バスに乗っていたら、前の席の女性が、1人で、しきりに憤慨してしゃべっている。借金を返せ、これ以上人に迷惑をかけるな、とか。「もう〜、バスの中でのケータイはやめてよねぇ」と思ってよく見ると、何も持っていない。

どうやらその借金踏み倒し男は、彼女だけしか見ることが出来ない人のようだ。

服装などごく普通のその女性は、さんざん借金男に説教し社会への更生をすすめながらも、目的地に着くと、キチンと小銭を払ってバスを降りていった。

「病気だから」と分かっていても、まわりが引いてしまうのは仕方ない。どうか早く借金男が消えて、彼女が楽になりますように。

さて、映画「ビューティフル・マインド」のDVDを今更ながら見た。いかんせん、ラッセル・クロウに知性のきらめきが感じられなくて残念だったが、見ごたえのある作品だ。

実際のジョン・F・ナッシュ氏は、上品な美しい顔立ちで、若い頃はラッセル・クロウよりはるかに美青年だったのではと推察する。

統合失調症に苦しみながらも数学の世界を切り開いた氏、そして支え続けた妻には心から感動した。

著名な作家や画家で、この病気に苦しんだ人は数知れない。もちろん一般の人も多い。ごくありふれた病気なのだから。

 

先の女性も、街中をケータイでしゃべる人たちも、きっと神様の目から見たら同じだろう。

    桜


ビューティフル・マインド ― アワード・エディション