料理自慢の人間って、どうも苦手だ。

その1人が私の姉。突然家にやって来ては、食事の準備が済んでいるにもかかわらず、「特産の○○を持ってきたから」と勝手に山のように料理を作り、自分はとっとと帰っていく。少人数の、それも食の細いわが家族は途方にくれるばかり・・・・。

また、以前招かれた家では、「あ、○○の手作りパンがないから買ってくるわ」とか「もうすぐ友人がドイツ製のなんたらワインを持ってくるので待ってて」とか、やたらもったいぶる。

招かれておいて申し訳ないが、お客よりも料理が主役のパーティーには興味がない。宅配ピザを頼んでくれた方が、よっぽどうれしい。

さて、小説の中の料理上手な女性と聞いてまず思い浮かべるのは、P・コーンウェル著、検視官シリーズのケイ、逆に下手なのは、スー・グラフトン著、私立探偵キンジーだ。

ケイは特にイタリア料理が得意。というかこの人何でも出来るので、完璧すぎてつまらない。

一方、キンジーは、せいぜい作るのがチーズを挟んだサンドウィッチぐらい。おなかが空くと、近所の愛想の悪いハンガリー人のお店に食べに行く。

キンジーは、べたべたした人間関係を嫌い(でも決して人間嫌いではない)、独立心が強く、身の回りを飾り立てない。無駄のないシンプルライフをおくっていながらギスギスしていないのは、彼女の住むカリフォルニアの空のような、明るい性格のせいだろう。

食べることはもちろん人生の楽しみの一つだが、やたら時間を使い気を使って珍味を食すより、キンジーと一緒に明るい空のもと、わいわい楽しく、安物のワインやピザを食べてみたいものだ。

    


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