ハイビスカス私の大好きな詩がある。丸山薫(1899〜1974)の「汽車にのって」である。

汽車にのって

あいるらんどのような田舎へ行こう

ひとびとが祭の傘をくるくるまわし

日が照りながら雨のふる

あいるらんどのような田舎へ行こう

車窓に映った自分の顔を道づれにして

湖水をわたり 隧道をくぐり

珍しい顔の少女や牛の歩いている

あいるらんどのような田舎へゆこう

この詩は、6年ほど前、雑誌「SWITCH」を読んで知った。今は引退した沖縄の歌手Coccoの特集があり、アイルランドで撮影された彼女の写真とともに、この詩が載っていたのだ。

当時、この特集を企画した人センスあるなぁ感心したものだ。アイルランドの風景とCoccoが見事に溶け合っている。以前から沖縄民謡とケルト音楽は似ているなぁ、と漠然と感じてはいたが、やはり不思議な縁を感じている人がいたんだ。

「ナビィの恋」という映画があった。沖縄の旅情あふれるこの映画にもケルト音楽が登場する。そして平良とみさん演ずるヒロインは、初恋の人と、60年の時を超えアイシテルランド(アイルランド)へ旅立つのだ。それをやさしく見守る、亭主役、登川誠仁の三線の音色が胸を打つ。

ちなみに平良とみさんの師匠は、沖縄琉球芝居の第一人者で、貴重なウチナー口の伝承者、真喜志康忠氏で、この人はCoccoのおじいちゃんでもある。

不思議な縁を感じる、沖縄とアイルランド、何かどんどんはまってしまいそうだ。

 

 

 
ナビィの恋