朝日ちょうど一週間前、福岡で地震が起きた時、私は地方のFMラジオを聞いていた。

突然、流れていた曲が止まり、女性DJの「ちょっと待って下さい、今揺れてます」の声を聞き、「え、そうかなぁ」と思った瞬間、部屋が大きく揺れた。

私の住む地域は幸い被害が少なかったが、このラジオ局の近くの福ビルではおびただしい窓ガラスが割れた。被害も多かったはずだ。

しかしその女性DJは、あきらかに動揺し声が震えていたにもかかわらす、「皆さん、落ち着いて行動して下さい」「火の始末をして下さい」と声をかけ続けた。

彼女の言葉に多くの人たちが救われたのではないだろうか。アナウンサーの冷静な発表より(もちろんこれも大事だが)、普段冗談を言って笑わせてくれる親しみのある人の、“生”の声の方が、何倍も心にひびく。

ラジオの特長はリアルタイムの情報だと思う。彼女の真摯な言動は、はからずもその原点を思い起こしてくれた。

この先、さまざまなメディアの複合やコンテンツが出ても、彼女の与えてくれた「生の声」に勝るものはないと思うのは、ちょっと穿ちすぎだろうか。