パンジーと私は寛容な人間である。たとえば映画館でおしゃべりしてるおばさんたちや、メールをチカチカやってる小僧を見かけても腹が立ったりはしない。

だいたい1000円かそこいらのお金で、完璧な環境を期待する方が贅沢だと思うし、一旦物語りの世界にのめり込んじゃえば、周りのざわざわなんて気にしない。第一、今の映画館は私にとって夢のような環境なのだ。

昔、一度だけだが痴漢に遭遇した事がある。暗がりの中で思わず敵の腕をひねり上げたところ、相手はあわてて逃げた。その時私は果敢にも逃げる犯人を追いかけていった。

キッチリ警察なりに突き出したかったのだが、相手の逃げ足の方が速かった、残念。

その映画館は、老朽が激しくて不潔、全体にトイレ臭いし、もぎり嬢(受付のおばさん)は愛想が悪いし館内が暗くなればもう痴漢の温床であった。(当時はどこの映画館もそうだった)

だから女性がひとりで気軽に映画館に入るなんて、夢のまた夢だったわけだ。

いま映画館はシネコンプレックス(複合施設)が主流で、設備は新しくて清潔、機能的で快適な空間となった。老朽化した古い映画館はドンドン取り壊されていく。とても良い事だ、もうダニがつきそうな椅子には座りたくない。

昔の映画館主たち、無愛想なもぎりのおばさんたちは、今、シネコンの隆盛をどう見ているだろうか・・・。

   

 

 
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