ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2005年09月

悪い奴ほど手はきれい

花壇北九州監禁殺人の被告で元夫婦の、松永・緒方両被告の死刑判決が言い渡された。松永被告は、それを不服として控訴するようだが、とにかく、私の住む地元で起きた、近年まれに見る鬼畜な事件、全容が明らかなるにつれ、その事件のあまりのエグさに(特に遺体処理について)地元の人たちもほとんどこの話題には触れたがらないありさまだ。(くれぐれも妊娠中の方、体調の悪い方はあまりこの事件の真相に触れないように)

佐木隆三という作家がいる。直木賞をとった「復讐するは我にあり」に代表される、真実に裏付けされた骨太の作家であり、ルポライターだ。
氏は6年前から地元北九州市に住んでいる。最初は故郷で静かに執筆活動をするつもりが大きな誤算で、この地は犯罪に事欠かない。暴力団による抗争や発砲事件はしょっちゅうだし、外国人による一家殺害など、犯罪小説のネタは盛りだくさん。故郷に帰ってからのほうが仕事が増えたという、何とも皮肉な状況である。

ごくありふれたマンションの密室で起こった凄惨な殺人事件。そこはあの家族たちにとって負のネバーランドだったのだろうか。

なぜ家族は殺し合ったのか

 

 

 

 

 

 

十月は不安な月

タペストリー弥生3月、いわゆる木の芽時になると、いつも、もやもやした不安な気持ちになるが、10月も、やはり同じような症状が出てくる。

春とは逆に、暑い夏からじわじわ冬に向ってゆく、まるで下り坂の途中に立っているような不安定な感じが原因なのだろうか。

さて、10月になると必ず読みたくなる本がある。レイ・ブラッドベリの短編集「十月の旅人」だ。普段は存在さえ忘れているのに、ひんやりした空気が心地よい、でも妙に地に足のつかないこの季節になると、無性に読みたくなる。

なんだろう、このSF短編集にも、得体の知れない不安がうずまいている。特にこの中の『十月のゲーム』。私はこれを読んで初めて「ハロウィン」なるものを知ったせいか、今だにこのイベントには、無邪気な気持ちで楽しむ事ができない。

SF小説でありながら、土着的な血の匂いがする短編集。

くりかえしくりかえし読んで、やがて不安な気持ちが消え去った時、もう秋も終わりだろう・・・。

10月はたそがれの国

 

 

貸してくれなかった本。

飾り山笠 今、「ブックトーク」なるものを作成している。
これは主に児童・生徒を対象に、あるテーマに関する分野の異なる数冊の本を選び、その一部を読み聞かせしたり、ストーリーを話したり、エピソードを披露するなど関連づけて紹介し、その本を読みたいという気持ちにさせる、まぁ「読書の動機づけ」として効果あるツールである。

図書館の専門職員や、学校の先生、またボランティアの方など、多くの方がブックトークを作り、子供たちに紹介しているらしい。

とても楽しい作業なので、私自身はなんの不満もなく嬉々として作成してはいるが、こんな風に至れり尽くせりの読書案内をするのが、果たして子供にとって本当に良い事なのか、若干疑問なのも確かだ。

年寄りの繰言とは思うが、私が小さい頃、児童用の本など親から買ってもらった記憶がない。それどころか「本を読みすぎると目が悪くなるから読むな」とまで言われていた。

あれは確か小学校の2年生の頃だったか近所に、子供はアンポンタンだが、母親が教育熱心で児童童話大全集などが、ぎっしり揃っている家があった。

私はある時からその家に毎日通って、児童本を一冊ずつ借りるようになった。きっかけは全く覚えていない。当時、引っ込み思案で人見知りの激しかった私がなぜ、まるで年期の入った主婦のような図々しい行動に走ったのか今も不思議だ。

教育熱心なその母親は、最初のうちは気持ち良く本を貸してくれた。家に飾っているだけで、全く読んだ気配のないそれらの本はとてもきれいで、ページをめくるたびにふわっと広がる印刷のにおいが鼻をくすぐったものだ。

しかし、日が経つにつれ、その母親の態度はだんだん冷淡になっていく。そして或る日、いつものように「ほんをかりにきました〜」と玄関に立っている私に「もうだめですよ!」と一言。我慢も限界だったのだろう。

そんなわけで、子供の頃の読書を思い出すと、ほろ苦さがつきまとう。

 

さて、美智子皇后の書かれた「子供時代の読書の思い出」。これは何度読んでも素晴らしい。疎開先で、お父様が持ってくる本を心待ちにしている少女の瑞々しい感性が心を打つ。

本の神様は、自ら求めた人だけにしか降りてこない、と私は今でも信じている・・・・・。

 

橋をかける―子供時代の読書の思い出

 

 

 

 

 

 

定形外の男

オフィス「オーガスタ」という音楽事務所がある。

時流に乗った、ずいぶんマーケティングリサーチしたんだろうな〜、と思われる音楽が溢れる中で、ここの事務所のアーティストたちは、あくまで自分流を貫いている。スガシカオ、元ちとせ、山崎まさよし・・・・。

その中でも特に、規格外商品だなぁと思わせるのが、山崎まさよしだ。

初めて有線で彼の「One more time One more chance」を聞いたとき、そのメロディと、あくの強い、鼻にかかった声が耳を離れなかった。初めて聞く、日本の規格をはみ出した、無国籍風の楽曲。

南米のフォークロアのようでもあり、スペイン風でもあり、中央アジアの風景にも溶けあう。放浪する吟遊詩人のような独特の魅力が彼にはある。

世の流行と全く逆行する、無骨ともいえる音楽スタイルだが、その姿勢に惹かれるのか、スマップなども彼の楽曲を歌っている。

さて、私の周りの友人に、山崎まさよしは人気がある。いずれもワガママで、たくましい女ばかりだ。ふだんは韓流スターや、ジャニーズ系など目もくれない彼女たちが、家でしみじみと山崎の音楽に聞き入っている姿は、想像するに微笑ましい。

彼はこれからもギター一本で、しるべなき旅を続けることだろう。

One more time,One more chance/妖精といた夏

 

月がとっても青いから

花今日は中秋の名月。お茶の稽古の後、社中の仲間と連れ立って、先生の知人である茶人の家へ向った。今夜そこでお月見茶会があるのだ。

・・・・・すばらしい茶会だった。露地にしつらえた茶席は、月とろうそくの明りだけに照らし出され、ぼんやりと幻想的で、虫の音と、たまさか吹く涼やかな風が心地よい。

そして茶人手作りのお菓子やミニ懐石の美味しいこと。最近、稽古がマンネリ化していたが、こういうイベントを体感すると、やはりお茶っていいな、と思う。

茶道は、時にひどく子供っぽいことをする。今どきかがり火なんて源氏物語じゃあるまいし、また客がにじって入るにじり口なども、よく考えれば変だ。でもその非現実的なところがまた楽しい。人間の本来持つ、胎内回帰願望を妙にそそる。

これからも地道に稽古を続けてみよう。またいつか、思いがけない愉しみに出会えるかも知れないから。

千利休とその妻たち〈上〉

 

 

 

 

 

 

ある作家の闘病

ガーデン空にポッカリ浮かんだ14番目の月を眺めながら思う。イオリンは元気かな?

イオリンこと作家の藤原伊織氏。今年の春、食道癌で闘病中であることを、小説誌に寄稿して明らかにしていた。5年生存率20%というのは、かなり病状が進行しているのだろうか。

私は彼の小説が好きだ。正直、特別面白いわけでも、ストーリーがすごいわけでもないのだが、その文章を目で追うだけで、心が落ち着くというか、安らかな気分になる。極上のウイスキーのような文体だ。

小説には、都会育ちでインテリジェンスでありながら、慎ましくて、ちょっと時代遅れの男がよく出てくる。
場末の店で、キャベツを手早くきざんでカレー味のホットドックをつくる寡黙なバーテン。妻を亡くした後、世間の交渉を断ち、都心のあばら屋に引き込んでいる元天才画家。

彼らは無頼でありながら、押し付けがましくない優しさに溢れている。いかにも東京人でなければ描けない世界だ。

私が藤原氏の病状回復を願う理由はただ一つ。作品を読み続けたいから・・・・。

こんな勝手なファンの声も、大人の彼は、苦笑いしながらも受け入れてくれることだろう。

雪が降る

 

 

 

 


 

それでも投票に行かない人たち

ブログを巡っていると、この度の選挙に対する様々な意見があって面白い。つくづく世の中には頭の良い人、思慮のある方が多いなと思う。私も早く追いつかなければ。

さて、大きな話題の一つに、投票率の高さがある。小選挙区で67.51%。はて、この数字、そんなに驚くべきことなのか。

連日テレビや新聞などマスコミで大々的に取り上げられ、外に出れば選挙カーが声を涸らし、いたる所でポスターが微笑んでいる。

人々の会話でもよく選挙の話しが持ち出された中、あえて選挙に行かなかった人たちがいる。

当時の有権者数は、在外投票者も含めて、1億306万7957人。そのうち、3千348万6779人が棄権した計算になる。かなりの数だ。

どんな人が選挙に行かなかったのか、先ず
1、物理的にムリな人。病気や怪我の人、超高齢者、障害者など。
2、全く選挙など頭にない、いわゆるDQN。
3、日曜に仕事があり行けなかった。かつ、少し早起きして投票所に
  行ったり期日前投票をするのは、メンドクセーな人。       
4、日曜日に遊びに出かけて行けなかった、かつ(以下同文)。
5、選ぶべき候補者、党がなかった。
  

あとは、何だろう・・・・。

ところで、都道府県別の投票率を見てみると、一番高いのが島根県の75.81%だ。続いて山形、鳥取の順。一番低かったのは沖縄の62.35%だがこれは台風15号が接近していたのだから致し方ないだろう。

以前、島根県は、白もの家電が日本で一番普及している県だと聞いたことがある。夫婦共働きの比率が高いのが理由だ、決してぜいたくからではない。県民所得は低いのだから。

家事や仕事をこなしつつ、投票へ向う島根の女性たち。なぜ投票率が高かったのか。単純に高いからと喜んではいられない。

 

 

 

限りなく実体のないブルー

「青」が好きだ。厳密には青系統の色というべきか。

私の数少ない和服の色は、藍、紺がほとんどだし、洋服もブルー系が多い。

「青」は矛盾した色でもある。若い人が着ると落ち着いて見え、逆に年配の方が着ると若々しく見える。またクールに見せながらフェルメール、妙にあだっぽかったりもする。紺の浴衣を着た女性に色気を感じるのはそのせいか。

さて、日常生活の中で見られる「青」というとリンドウなどの野草だろうか。茶花としてよく使われる。でもそれ以外で、天然の青ってあまり見ない。空や海の青は、光の屈折でそう見えるだけで、水素や空気が青い色をしているわけではないし、特に食べ物においては思いつかない。第一、青い食べ物って何か気持ち悪い。
映画「ブリジッド・ジョーンズの日記」では、ブルーのスープを楽しむ(?)話が出てくるが・・・・。

そう、私にとって「青」は涼しげで、心を落ち着かせはするが、口には入れたくない、人工的で無機質の象徴なのだ。

ところで今、福岡でアイランド花どんたく青いバラ催されている。その目玉がなんと青いバラだそうだ、うう、見てみたい。イメージ的には、映画「ブレード・ランナー」に出てくる美女のレプリカントかな。

もし青いバラがたくさん植えられるようになったら、さて、どんな花言葉が似つかわしいだろうか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寒い国から来た議員

似ている楽曲と言うのは、よくあるものだが、私が特に気になっているのが、ビギンの「島人ぬ宝」と松山千春の「大空と大地の中で」だ。イントロなんかそっくり。
作曲は松山千春のほうが先だが、よく文句が出ないものだな、と思う。

それにしても日本の端と端。それぞれが、南の島と、北の大地の自然を謳い上げているのが何とも不思議な感じだ。

さて、私は生まれてこの方、北海道に行った事がない。したがって、この地については、ヨーロッパ諸外国と同じような憧れを持っている。感覚的には韓国よりも遠いように思われる。

当然北海道の知識も乏しい。厳しい気候や、ロシアに近い地理条件など、九州の人間には想像もできない苦労があるのだろう。だからその地域の代表である議員の行動については、私は何の意見も言えない。

一時期の、鈴木宗男元議員に対するバッシングは凄まじいものであった。ワイドショーやニュースは一日中、彼の罵倒に終始していたものだ。門外漢の私でさえ、何もそこまで貶めなくても、と思ったものだが、四面楚歌の中で、ただ1人、彼の味方だったのが、松山千春であった。

歌手の松山千春にとって、人気が落ちるかもしれないという危険を冒してまで擁護したのは、友情からなのか、それとも人に言えないしがらみがあったのかは分らないが、とにかく、彼の態度を見て、口には出さぬが、心の中で拍手を送った人は結構多いと思う。

世界中の人が自分の敵になった時、たった1人、自分の味方になってくれる人がいることは、すべての人に愛されることよりも、悦びが深い気がする。

そして、今度の選挙、北の大地の人たちはどんな選択をするのだろうか。

島人ぬ宝
ベスト32

 

 

 

 

喉元過ぎれば

やっと台風14号が去って行った。時おりまだ強風が吹くが、雨もやみ、虫の音も聞こえ始めている。

おかげ様で私の周りは被害も無く、ホッとしているが、つくづく思うのは、どこよりも数多くの台風に遭遇しながらも、しのいでいる沖縄の不思議さだ。

台風は上陸すると勢力が急激に弱くなる。つまり沖縄やその離島は、上陸前の元気マンマンの台風に常にぶち当たっていることになる。それもおよそ年7回も。

そういえば以前沖縄に遊びに行った時、陸屋根のコンクリート住宅が多いように感じた。見た目は殺風景だが、確かにあれだったら風に強いだろうな。

気になって色々調べてみたら、あの漆喰で固められた赤瓦も、家の周囲の石垣も防風になるらしい。またフクギやガジュマルといった木々も防風林として植えられたという。

そして、これが一番だと思うが、やはり地域の結びつきの強さが、被害を最小限にしているように思う。

民放のテレビ番組の、一つ覚えのような大げさなリポーターの実況中継を見るにつけ、悠々睡蓮とした沖縄の人たちの対処法に、感心することしきりである。

 

 

 

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