ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2006年11月


最近、映画『ブロークバック・マウンテン』のサントラを愛聴しているのだが、その中の『イッツ・ソー・イージー』を耳にするたびに、思わず感慨にふけってしまう。ああ、可愛いリンダは今何してるんだろう。

もちろん、このリンダは、山本リンダでも、リンダ・ブレア(byエクソシスト)でもない。アメリカのカントリーロック歌手、リンダ・ロンシュタットのことだ。『イッツ・ソーイージー』は'77年の大ヒット曲である。

70年代後半、洋楽の世界では、オリビア・ニュートンジョンとリンダ・ロンシュタットがアイドル的人気を競っていた。

男の子達はオリビア派が多かったが、私は頑固なリンダ派であった。

何といってもリンダはキュートだ。上の写真を見てほしい。

これは'76年のアルバム『風にさらわれた恋』のジャケットだが、見よ、この愛らしさ、野性味あふれるセクシーさ。

例えれば、ふだん泥だらけのツナギを着て乗馬ばかりしている生意気な女の子が、大あわててシャワーを浴びて、パーティードレスに着替えたようなたたずまいである。

当時、CDではなくLPレコードの時代だったから、このジャケットを見て鼻血ブー(死語)になった青少年も数多かったろう。

もちろん、可愛いだけではなく、リンダはボーカリストとして稀有な実力の持ち主だった。そして、シンガーソング・ライターが主流であった当時においては珍しく、過去のアーティストのカバー曲や、有能なソングライターの曲を歌い、多くのアーティストを発掘した。イーグルスなどは、元々彼女のサポートメンバーだったのだ。

まさに、アメリカの歌姫だったリンダ。これからも現役のカントリー・マムとして活躍してほしい。

 

 

 

 

 

最近、再上映館で映画を見るのがマイブームになっている。

なんたって、ちょっと前の映画が2本立で千円なのだ。作品も良いものを吟味して選んでいるし、ヒット中に観るよりも、少し時間を置いた方が、腰をすえて客観的に楽しむことが出来る。

さて、昨日観た映画は『かもめ食堂』

フィンランドの和風食堂で繰り広げられる、3人の女の物語。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこが演じるのだが、この3人の距離感が絶妙なのだ。

決して馴れ合いにならず、助け合って協力はするが、個人の領域には踏み込まない。
どんなに仲良くなっても、お互いを丁寧語で話す。

「君子の交わり、水の如し」などとよく聞くが、中年の女たちでもそれは当てはまる。

ある程度年を経れば、誰もが心に重荷を背負っている。それは他人にはうかがい知れないものだ。

そんなわけアリらしき女たちが、さわやかなヘルシンキの港の風に吹かれながら、自転車で走り、シンプルで清潔なキッチンでフライパンを扱い、おにぎりを作る。

また小林聡美演じるサチエの姿が、絶妙なのだ。

料理をする時の手さばきの良さ。決してプロの料理人のような派手さはないが、長年心を込めてお料理を作ってきた、熟練した母のような丁寧さだ。

自分の信念を貫いているが、他人の意見も聞き、実行してみる柔軟性も持ち合わせている。

すべて、ほど良いのだ。特に美人ではないが、華がある。

完璧すぎてちょっと物足りなささえ覚えてしまうが、凛としたサチエに、日本女性の理想を感じ、その姿が、北欧の街にピッタリあうのが不思議だ。


かもめ食堂

 

 

 

 

 

 

 

 

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