ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2008年01月

或るオーストラリア人の死

俳優、ヒース・レジャーが1月22日亡くなった。

原因は薬物の過剰摂取らしいが、まだはっきりしない。

ショックだった・・・・。

彼の主演した映画『ブロークバック・マウンテン』には夢中になったものだ。ヒース・レジャー
劇場へ2回行き、その後DVDでも見、原作本を読み、サントラを繰り返し聴いた。

アメリカ西部に住む、貧しい青年2人の同性愛に、なぜそんなに心を惹きつけられたのだろう。

原作本の中で好きなシーンがある。

ヒース演じるイニスが、羊追いの仕事でジャックと知り合い、ブロークバック・マウンテンの満天の星の下、楽しく語り合う。
その後、こう描いている。

1人になるだろうと思っていたところに、思いがけず相棒ができて喜んでいたのだから。イニスは向かい風をついて羊のもとに戻る途中、思っていた。人生でこんな楽しい時間を過ごしたことはない。この馬で飛び跳ねて月の白い部分をもぎ取ってこられるくらいだ。

きっとイニスはこれまでの人生で楽しいことは一つもなかったのだろう。

幼い時両親に死なれ、家は貧しく高校も行けなかった。そして食べていくためのつらい労働・・・・。

だが、生まれて初めて感じた幸福感は、やがて彼の人生を狂わせてしまう。

そんな無骨で無教養でありながら繊細な青年、イニスを、ヒース・レジャーは見事に演じていた。

それにしても彼が薬物摂取で死ぬとは信じられない。ヒースはそういうものとは正反対の人間に思えるからだ。

なぜなら彼はオーストラリア人である。

オーストラリアの俳優はいわゆるハリウッドとは一味違う。

メル・ギブソン、ラッセル・クロウ、ヒュー・ジャックマン、エリック・バナ等々。

エリック・バナ彼らはハリウッドのセレブと違い、骨太の本格派だ。
そして落ち着いている。悪く言えば、おっさんくさい。
ヒース・レジャーだって私は30代後半と思っていたが、実はまだ28歳の若者だった。

がっしりしているので、時代もの、騎士や甲冑をつけた役が良く似合う。

ディカプリオやマット・デイモンだと妙に浮いて見えるそれが、彼らにはしっくり合うのだ。

さて薬物中毒と言えば、最近俳優のブラッド・レンフロが過剰摂取で25歳の若さで死んだばかり。

リバーフェニックスは言うに及ばず、今後薬物摂取についてはもっと真剣に取り組まないと、あたら若い才能を潰していくことになりかねない。

だが、ヒース・レジャーはそんなハリウッドのセレブらとは違う。

一体何があったのだろう。考えてもせんないことを考えてしまう。

やはり彼もイニスのように、無骨でがっしりした、だが繊細な青年だったのだろう。



 

 

 

 

 

食欲魔人

船まことにスットコドッコイな話題で申し訳ないのだが、むかし、官官接待で、『ノーパンしゃぶしゃぶ』が話題になったことがある。

その言葉を初めて聞いた時まず頭に浮かんだのは、官僚たちの不正に対する怒りでも、モラル低下への嘆きでもなく、

「食欲と性欲は両立するのだろうか」という素朴な疑問だった。

「ノーパンしゃぶしゃぶ」がどのような形態で営業しているのか知らないのでそこらは割愛するが、美味しい料理をいただきながら且つおみだらを楽しもうとしても、お互い気が散って結局満足を得られない気がする。

それとも官僚のセンセー方は、そんな複合的な楽しみを知っていらっしゃるのか。

もし自分が接待される側だったら、落ち着いた店で美味しい和牛しゃぶしゃぶを堪能したあと、しかるべき所でのしかるべきサービスを望むだろう。

私は何かを楽しみながら食事をするということが出来ない。

だから皆と昼食をとる時も、つい無言でがつがつ食べてしまう。

これじゃ、人が近寄ると歯を剥いて吠える、ガッツいた野良犬と変わらない。

現代人らしく、会話を楽しみながらゆっくりと食事をするのはいつの日だろうか・・・。

道

 

 


 


王道という名の邪道

来月2月10日、第50回グラミー賞が発表される。

最多ノミネートは、もはや常連のカニエ・ウエストだが、エイミーやはり注目は、4部門ノミネートのエイミー・ワインハウスだろう。

初めてこの人の楽曲を聴いた時、まるで60年代のモータウンサウンドが、タイムマシーンに乗って現代に迷い込んだような気がした。

野太く、きわめて深みのあるボーカル。アレサ・フランクリンやサラ・ボーンを彷彿させるような。

てっきり黒人の中年女性と思ったら、20歳すぎの若い白人のイギリス人と知り、びっくりした。

彼女のアルバム『BACK TO BLACK』を聴いてみる。

まさに王道のR&Bだ。

深みと艶のあるボーカルは時に重たげに、または脱力しつつ、ゆったりとリズムをきざむ。

懐かしいレトロ感さえただよう楽曲の中には、ヒップホップは入っていない。これは正解だ。

ヒップホップは崩れた不良っぽさが良いのであって、彼女のような完成されたボーカルには似合わない。

そんな極めてオーソドックスなR&B歌手であるエイミー・ワインハウスだが、私生活では、薬物中毒やアルコール依存症、異常行動などゴシップに事欠かない。現在、夫が逮捕拘留されており、彼女も数度の逮捕歴がある。

彼女のヒットシングル『Rehab』の歌詞などは、「みんな私をリハビリ施設に入れようとするけど絶対行かないもんね〜」という内容だ。

いまやブリトニーを軽く超えるお騒がせキャラである。(ちなみにエイミーの方が2歳若い)

でも考えてみれば、クスリやアルコールに溺れるミュージシャンなんて星の数ほどいる。目新しいことではない。

つまり彼女は悲しいほど古風で破滅的な、王道のミュージシャンなのである。

来る2月10日、リハビリ施設からの生中継で、栄誉あるグラミー賞のパフォーマンスをするエイミーが見られるかもしれない。


 

 

 

 


 

陽動作戦成功せり

正月休みの間観ようと、DVDを数枚レンタルしたが、借りて一番良かったのは、あの名作『史上最大の作戦』。
第二次世界大戦の流れを変えたといわれるノルマンディ上陸作戦を描いたものだ。

三時間もの長丁場ではあるが、群像劇で特に主役はないため、適当なところで一時停止して、お風呂に入ったり夜食の準備をしたりと用事が出来るのがいい。また白黒のため、目が疲れにくい。

そして観終わった感想は、「品のいい映画だな」

多くの死者を出した戦争映画に品がいいというのも変な話だが、確かに落ち着きを感じるのだ。

まず登場人物がアメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人なのだが、フランス人は仏語、ドイツ人は独語できちんと会話をしているのが良い。砂漠

全編英語の『ラスト・エンペラー』や『スターリングラード(ドイツとソ連の話なのに)』などに慣れている身には新鮮に感じた。

また映画の目線が、連合国側だけでなくドイツ軍の目線でもとらえてある。

そして基本的に悪い人は出てこない。小心者や頑固者はいるが、みな国を愛する勇気ある人ばかりだ。
ヒットラーやナチ親衛隊は出てこないが、人気者のロンメル将軍を出すところ、意識的かもしれない)

現代映画でしょっちゅう出てくるスラングもなく、古き良き雰囲気だ。

だが、もちろん映画の内容はシビアである。

特にロバート・ミッチャム演じる米陸軍歩兵師団長は、一番の激戦区といわれるオマハビーチへ、多くの部下を引き連れ上陸する。

あの『プライベート・ライアン』でリアルで残酷なシーンとして有名になったオマハビーチと同じシチュエーションだ。

映画がカラーで、ロバート・ミッチャムの和み顔がなかったら、かなり悲惨な映像だったかもしれない。

さて、私はこの映画のテーマ曲(ポール・アンカ作曲)と「戦場にかける橋」のクワイ河マーチがいつもごっちゃになってしまうのだが、このノー天気とも思える明るいマーチが品の良さにとどめをさす。

たしかにリアルさに欠けるし、きれい事すぎる気もするが、まっすぐな兵士たちの壮絶さには心打たれるものがあるのだ。

史上最大の作戦 (ベストヒット・セレクション)

 

 


 

今年の黒豆

明けましておめでとうございます

今年が善き一年でありますように

さて、お正月といえばお節料理である。

下手の横好きで毎年作っているが、実にお節とはくやしい料理だ。

1年に1回しか作らない、いわば一発勝負であるから、ついぼんやりして火を通しすぎ失敗しても、リベンジできるのは1年後である。

12か月当然1年前のことはすっかり忘れているので、同じ失敗を繰り返すか、新たな失敗を仕出かすのどちらかだ。

今年は黒豆がしわしわだった。差し水の仕方が悪かったのか(しわしわ黒豆も好きだが)。

ゆえに「今年は忙しくてうまく出来なかったの〜」と毎年同じ言い訳をしている。

実を言うと下手な人間が作るより、デパートで買った方が簡単でしかもおいしい。家族もそう思っている。

だが、一旦、「別に私がしなくても・・。」といい出したら、いい加減な私のこと、すべてにおいて、まるでダムが崩壊するかのごとく、怠惰の海に沈んでしまうのは目に見えている。

目の前の課題を愚直にこなす。そんな1年にしたい。フウジンライジン

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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