ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2009年04月

熱っぽい読書

さて、熱っぽい枕元での何よりの愉しみは読書だ。

横光利一の短編集『日輪・春は馬車に乗って』を読んでいるがこれが実に面白い。もう中毒になりそうだ。

だいたい彼の本は、なかなか書店になく、この短編もやっと見つけたのだ。

この感覚の鋭さ!大正・昭和初めの読者たちはさぞ驚いたことだろう。

特に『機械』
重クロムや苛性ソーダなどの劇薬にあふれた工場の主人と3人の男たち。

熱っぽい頭で読んでいたせいか、工場の劇薬の刺激と臭気で、3人の男がまるで「ちびくろサンボ」に出てくる、バターになった虎のようにごっちゃになってしまうのも妙に気持ちがいい。

そして『春は馬車に乗って』と『花園の思想』
まるで少女雑誌のような甘いタイトルだが、結核の妻との最期の日々を描いたもので、それにはロマンティックな要素はいささかもない。

鳥の臓物が好きな妻は、絶え間ない苦しみのあまりひたすら我がままを言い、暴言を吐く。

夫はそれを受け止める。というよりより積極的にその苦痛をあじわっているというべきか。
そして、そんな苦痛の頂点の時でさえ、妻が元気な頃に味わった嫉妬の苦しみよりましだと思うのだからすごい男だ。

愛する夫を散々責めながらも、やがて妻は清らかに去っていく。

熱っぽい目で見ると、言いたい放題のわがままな妻が、とてもうらやましくてたまらなくなる。

日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (岩波文庫 緑 75-1)
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熱っぽい日々

先週、何年かぶりに風邪らしきものをひいた。

妙に体がだるく熱っぽいなぁと思いつつ、せっせと洗濯掃除に励んでいたのだが、あまりにだるいので、これも何年かぶりで体温計をはかってみたら39度近くあり、そのままヘナヘナと倒れ込んでしまった。

さて、どうしたものかとベッドの中で考えながらふと思いついたのは、昔読んだ、野口晴哉著『風邪の効用』だ。

著書によると「風邪」とは体の偏りで起こるものであり、この症状を「薬」で無理に抑えるのではなく、自然に「経過」させることで、ひいた後は、一皮むけた、より新鮮な体になるという。

「よし、このチャンスに人体実験だ。長年の偏りを治し、新鮮な体を手に入れよう!」

と、薬も飲まず医者にも行かずを実践してみたのだが・・・・・。

・・・一週間たって、熱は平熱に下がったが、咳や鼻水は相変わらず、しかも昨日からトイレの後残尿感がある、これは、まずい・・・・・。

あわてて病院に駆け込むことになり、かくして、私の「風邪の効用」は失敗に終わったのであった。

考えてみるに、この本にかいてある風邪の対処法は、人を選ぶ。

まず体力のある人で、家でゆっくり静養できるような、時間的、金銭的にゆとりのある人に限られる。
ビンボーなおばさんがやっちゃいけないんだ。

しかも「風邪」と思っていても、実は他の病気だったてこともあり得るわけで。

そうなると、この『風邪の効用』に書かれているのは、今の時代、とても贅沢な休暇かもしれない。

風邪の効用 (ちくま文庫)
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疾走するインド

今年のアカデミー賞を総なめにした映画『スラムドック・ミリオネア』は、エンターティメント性に溢れた娯楽作品だった。

路地裏の少年原色の街モンバイで、独特のインド音楽に包まれ、スラム街を疾走する少年たちの動きのなんと機敏で生き生きしているのこと!そしてその可愛らしさ。

子役は実際にスラムに住む子供を使ったそうだが、腐臭のただよう街でゴミにまみれても、彼らの黒い瞳は輝きを失わない。

ストーリーは、スラム育ちの少年ジャマールが、人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと一問で史上最高額2000万ルピー獲得かという所で、警察に捕まる。

理由は、スラム育ちの無学な男が答えを分かるはずがない。きっと不正をしているに違いないというのだ。

線路は続くよそこでジャマールは一つ一つの問題に絡めながらも自分の生い立ちについて話し始める。兄のこと、初恋の人ラティカのこと・・・。

映画自体はとても楽しくダニー・ボイル監督らしいスピード感にあふれ満足したので、主人公ジャマールのバックグラウンドについて、つらつら考えてみた。

彼は幼いころひどく貧しい暮らしだったようだ。兄が掘っ立て小屋トイレ管理をしていたのでカーストとしては最低の「不可触賤民(アンタッチャブル)」かなと思った。だが後にイスラム住民への襲撃で母を撲殺され家を失うので、イスラム教徒というのが分かる。

この悲劇が後のクイズ問題の正解の一つと繋がるのが何とも切ない。

カースト制度はヒンズー教のものだが、異教徒も最下層として差別されると聞くので、さぞ苦労したことだろう。

そして厳しい少年時代を過ごすうちに、兄はヤクザの世界に落ちていくが、温和な性格のジャマールはコールセンターのアシスタントの職を持つ。

このあたりが今のインドを象徴しているようで面白い。

IT産業は最近のものなので、カーストの縛りがなく、最下層の人でも努力しだいで成功するファイナルアンサー?ことが出来る。

特にコールセンター業務は、英語が出来る、人権費も安いということで、インドが脚光を浴びている。ジャマールには妥当な職業選択だ。

貧困、差別、暴力・ストリートチルドレン・人身売買・・・・・過酷な人生においても、汚れを失わず、全うに生きてきたジャマールにとって、「クイズ$ミリオネア」に勝ち抜くことは、「運命」だったに違いない。

ぼくと1ルピーの神様 (ランダムハウス講談社文庫)
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映画バカの戦場

軍曹映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』の DVDを観た。映画館で見損ねていたのだが、気になっていた作品だったのだ。

監督と主演は、コメディ俳優でもあるベン・スティラー。

内容は、ベトナム戦争をテーマにした映画を作っているが、俳優らのワガママで撮影が進まない上に、スタッフのミスで予算オーバーしてしまったのにキレた監督が、一計を案じ、役者らをだまして東南アジアの密林ジャングルに放り込み、リアルな映像を撮ろうとする。

だが、そのジャングルは、危険な黄金地帯。麻薬密造のアジトだったのだ・・・・・・・。

災難にあう役者は5人。

爆破落ち目のアクション俳優タグ(ベン)、お下劣ネタが売りのコメディアンで麻薬中毒のジェフ(ジャック・ブラック)、名優だが役にのめり込み過ぎ、黒人兵に扮するために手術までしてしまう役者バカ、カーク(ロバート・ダウニ―・Jr)、ラッパーあがりの女好きの黒人俳優アルパ・チーノ、新米俳優で人数合わせのために選ばれたジェイ。

・・・・・いやぁ面白かった。楽しかった。

実はこの作品、抱腹絶倒のおバカ映画、お下劣戦争パロディコメディに見せかけておいて、実は、映画作りへの愛と情熱、そして苦悩を描いたものだ。

水牛とハチャメチャのコメディは、監督の照れ臭さではないかと思うのは、考え過ぎだろうか。

まずここそこに散りばめられた名画のオマージュが楽しい。「地獄の黙示録」「プラトーン」「ディア・ハンター」「フォレスト・ガンプ」etc・・・。「薔薇の名前」もあったなぁ。

役者が主人公だから当然彼らの会話の中に、映画の話題もよく出てきてそれも興味深い。

特に感銘を受けたのは、人気が低迷気味のタグに、オスカー俳優のカークがアドバイスをするシーンだ。

実はタグはアクションスターのイメージ打破のため、知的障害者が主人謎のゲリラ公の感動作品で起死回生を狙ったが見事に大コケ。史上最低の作品と酷評を受けている。

『自分は知的障害者になり切ったのに』とこぼすタグに、名優カークが言う。

『君は100パーセントなり切ったがそれは間違いだ。客の共感を得られない。「レインマン」や「フォレスト・ガンプ」がアカデミーを受賞して、ショーン・ペンの「アイ・アム・サム」がノミネートだけに終わった理由が分かるか』

う〜ん、確かに私も、ショーン・ペンの「アイ・アム・サム」を観て、凄いなぁと思いながらもどん引きしてしまった記憶がある。

客は映画を観に来ているのであって、完璧な障害者が見たいのではないのだ。

だがそんな含蓄のある言葉を吐くカーク自身も、様々な役を演じているうちに、自分のアイデンティティを失いかけており、役を離れた素の時も、黒人軍曹の口調が出る始末だ。

カーク役のロバート・ダウニー・Jr自身、若い頃から天才的な俳優でありながら麻薬にのめり込み、地獄を見た時期があったから、感慨深い。

お下劣コメディ俳優ジェフは麻薬中毒、そして黒人ラッパーのアルパ・チーノも実は深刻な問題を抱えていた。

皆が悩みを抱えている中で、新米俳優ジェイだけがカラッとしており、最初は気の弱い青年の彼が、ラストにはいつの間にか5人のリーダーとして活躍するのには驚いた。顔つきも全然変わっているし。

映画への愛にあふれたおバカ作品。俳優である以上、彼らの悩みは終わらないが、その苦しみから感動が生まれるのだ。

トロピック・サンダー 史上最低の作戦 ディレクターズ・カット 調子にのってこんなに盛り込んじゃいましたエディション【2枚組】 [DVD]
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竜頭蛇尾

映画『レッドクリフPart2 未来への最終決戦』を観た。

未来への最終決戦?。なんてダサダサな日本語サブタイトル付けてんだ。原題の『赤壁2 決戦天下』の方が絶対、字面もいいのに〜。

イヤ〜な感じを胸に抱きつつスクリーンに向かったのだが、その予感は見事に当たった・・・・・。

1・・・・・全く駄目だ。駄作だ・・・・・・。

「Part1」はあんなに興奮してワクワクしながら観ていたのに。

竜頭蛇尾とはこの事をいうのか。期待が大きかっただけにショックもひどい。ああ、これならいっそのこと、少年ジャンプ10週打ち切りのような唐突な終わり方をした前作だけ観ておけば良かった・・・。

「Part1」は、「やーやー我こそは〜」の個人戦や、ハラハラする団体戦を描きつつ、登場人物の人となりをテンポ良く描いていたのだが、今回はそれが全くない。

安っぽいエピソードを詰め込み過ぎで、周瑜や孫権、曹操ら、肝心の武将たちの印象が散漫で希薄になっている。諸葛亮孔明なんてただの天気予報士だし。

そして後半、戦闘シーンが異常に長く、それも多くの無名の兵士らが、火攻めや弓矢で無残に死んでいく様を延々と見せるのにも辟易した。

たぶんジョン・ウー監督は戦争の悲惨さ、残酷さを描こうとしたのだろうが、そもそも英雄の活躍と戦争の悲惨さとは相反するものであり、結局どちらも中途半端に終わった感じだ。

戦争の虚しさ、悲惨さを表現するのに、殺されていく兵士らをだらだら描くだけではあまりに能がない。

そして戦が終わった時の周瑜のセリフ。
思わず腰がへなへな〜となってしまった。

「あれだけ人を殺しといて、それはないでしょう〜。一体何の為の戦いだったのだ〜」

そんな訳で、私の中で「Part2」はなかったこととして、

『レッドクリフPart1 俺たちの戦いは今始まったばかりだー未完』で脳内完了することにします。

金ぴか孫権

 

 

 

 

血まみれの兄弟

先月早くもDVD化された映画『レッドクリフPart1』をレンタルして自宅で観たが、さっぱり気持ちが盛り上がらない。

劇場ではあんなに興奮してワクワクしたのに、自部屋のモニターからだと妙に冷静になり、「トニーさん、お肌が荒れてるなぁ」とか「エキストラのオバサン、笑ってるよー」とか「結構むだなシーン、多いなあ」とか、ちまちました事に目が行く。

元々この作品、結構粗が目立つし、突っ込みどころも多いが、大スクリーンのジョン・ウー監督の圧倒的な映像には「そんなことどうでもいいじゃん」と思わせる魔力がある。
だが家でDVDだとその力も半減するようだ。

はーどぼいるどところで、巷に溢れる『レッドクリフPart2』のCMの凄まじさには、辟易している。

いくら前作が予想外の大ヒットになったからといって、予告と称して、ネタバレ動画や映像を流し過ぎでは。
しかも前作上映からわずか半年で、テレビ地上波放映するというのも行き過ぎというか、Part2の売上アップが見え見えで引いてしまう。

大好きな作品なのに、なんか複雑な気持ちだ。

バーンさて、ジョン・ウーが製作総指揮をとった映画『天堂口』をDVDで観た。

日本での上映はむろん、DVD化もされないだろうと諦めていたのに、これもやはり「レッドクリフ効果」か。

そして観終わった後、「ああ、劇場で見たかったな」と思う。

迫力ある映像で、それこそ「細かいことなんでどうでもいい」気持にさせる魔力健在だ。

時代は1930年代の魔界都市、上海。
横光利一の「上海」より10年ほど経っていると思われ。

束の間の逢瀬ストーリーは何ということもない、ありふれたフィルム・ノワールだ。

くすんだ映像、上海のレトロな街並み、血の匂いとピストル、無表情に殺し殺される男たち、そして謎めいた美女。

貧しい田舎から一攫千金を夢見た若者たちの栄光と挫折。

何ら目新しいものはないのに、惹きつけられる。

観終わったと、冷静になると「殺しは嫌だとか言いながらいつ練習したんだ、そもそも蘇州の田舎から出てきた男が、何であんなに銃さばきが上手いのか」とか「殺し屋の弟、いつでも兄貴を狙うチャンあったじゃん」とか、頭に湧いてくるのだが。

今は映画は当然のごとくDVD化され、それはそれで有難いことだし、製作者もそれを念頭に入れて作っていると思う。

素朴な若者だったのにだが劇場の大スクリーンで見て、興奮して笑い泣き、終わり!というのも捨てがたいものだ。

「レッドクリフ」やこの「天堂口」などはそれにふさわしい作品だと思う。

ブラッド・ブラザーズ-天堂口- [DVD]
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日本の正義・欧米の正義

アイタタタタ・・・・・・・。
突然、腰が痛くなった。

いい年をして今まで腰痛や肩こりには全く縁がなかったのに。

恐れおののき、翌日は会社を休み、ひねもす一日、休養して過ごす。

部屋でゴロゴロしながらひもといた本は、松原久子(ドイツ語原著)訳田中敏の『驕れる白人と闘うための日本近代史』。

えらく挑発的なタイトルだが、著者は長らくドイツで小説・戯曲・評論などを執筆しており、現在はアメリカを拠点に、欧米各国で講演やシンポジウムなどで活躍している。

実はこの著書、報われない作品なのだ。

内容は、欧米諸国の人々が潜在的に持つ「我々こそ世界史でありアジアなどの諸民族は我々が与えた文明の恩恵を受けているのだ」という彼らの優越感をことごとく覆すもので、しかもドイツ語で、ドイツ人向きに書いてある。

そんな本が売れるわけがない。しかもドイツ語だから日本人は読まない。

なぜ採算を度外視してまでこの本を出版したか。それは欧米人の持つ実にさりげない『優越感』に対する、著者の「怒り」からだろう。

でも読んでみると、挑戦的なタイトルの割には常識的で目新しいものは特にない。

少なくとも近代史に興味がある日本人なら大体知っている内容だ。

ただ某数学者のような「日本マンセー」ではなく、学者の本だけに大変冷静に分析しているので、日本の近代史を振り返るのに良いだろう。

さて、最近の欧米人は普段はその優越感を出さない。

日本の文化に対しても、興味や関心を持っているし、フレンドリーな態度で接する。

だがこれが自分の直接の利害となると急変する。

顕著なのがスポーツだ。

スキーの複合で日本が金メダルを取ると、ごくさりげなくルールを変更する。
2000年のシドニーオリンピック・柔道での、篠原選手に対する誤審(あれはどう見ても誤審だろう)に抗議する日本選手団にとった、オリンピック委員会やフランス人たちの木で鼻をくくったような態度。

日本の持つ謙譲の美徳・和の心・謙虚さは失いたくないが、慇懃な笑顔で、さり気なく支配しようとする国の人たちに対するしたたかさも、持ち合わせないといけない。

なぞと腰をさすりながら、ベッドの中でつぶやいてもねぇ、トホホ・・・。

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)
驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

 

 

 

 

誰が愛妃を殺したか

珍妃浅田次郎の『蒼穹の昴・外伝』とでもいうべき小説『珍妃の井戸』を読んだ。

物語は清末期、義和団による激しい排外運動が起きた北京では、列強8国の軍隊が出動し、これを鎮圧。おびただしい死者を出していた。

その騒乱のさ中、幽閉されていた皇帝、光緒帝の愛妃が何者かに井戸に突き落とされ殺されるという事件が起きる。

それから2年後、この事実を聞かされた北京駐在の英国の海軍提督は、
「一国の君主の妃が暗殺されたということはゆゆしき事態だ。ぜひ真相を追及しなければ」

ということで、同じく駐在の、ドイツ帝国の大佐、ロシア銀行総裁、日本の子爵を呼び、4人で、事件の当事者に会って話を聞き、真相を追及しようとする。

証言者は、北京滞在25年のニューヨークタイムズ駐在員・光緒帝の元太監(宦官)・総督の袁 世凱将軍・光緒帝のもう1人の側室・彼女に仕えた元太監・廃太子となった男など。

だが、なぜかそれぞれの証言が食い違い、犯人と名指しされた者は、また別の者を犯人と語り、真相はますます見えにくくなる。

ついに4人は、幽閉されている光緒帝に謁見し、真相を知ろうとするが・・・・・・。

読んでいて、まず頭に浮かんだのが、芥川龍之介の『藪の中』だ。

だが先の人の証言を後の人が打ち消すという流れは、アガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』にも似てるなぁと、ぼんやり思いつつ進んでいたら、ラスト、「おお、これはアガサ・クリスティあの有名作品のプロットじゃん!」と。

歴史物として捉えていたつもりが、思いがけずミステリーとして楽しんだ。

それにしても珍妃、あまりに劇的な人生だ。

百人が百人振り返る、たぐいまれな美貌に加え、科挙出身の進士に匹敵する教養と清らかな心をそなえ、皇帝に愛された女性が、24歳の若さで殺されるなんて。

多少の誇張はあると思うが、いわゆる「傾城傾国の美女」とは違う、珍妃という存在は、清末期において、泥池に咲く白い蓮の花のように、しみじみと心に残るのだ。

珍妃の井戸 (講談社文庫)
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地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)
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