ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2009年12月

ただ音楽だけを愛して

イノセントマイケルマイケル・ジャクソンの映画『THIS IS IT』のDVD予約件数がすごい事になっているらしい。今月19日から再上映も始まるし、盛況なのは良いことなのだが、長年マイケルと確執があったソニーや、結果的に彼をハードワークに追い込んだAEGが、がっぽり儲けるというのが何だかなぁ。

まぁ業界のことは素人には分からないし、色々と大人の事情もあるんでしょうけど。

そんな私も汚れた大人のひとりだが、最近心が洗われるようなアルバムCDをゲットした。

それは、『JACKSONS LIVE』

意外だが、ジャクソン5、ジャクソンズの時代を含めて、マイケルの公式ライブアルバムCDは、この『JACKSONS LIVE』 だけなのだ。

ジャクソンズ名義とはいえ、もうこの時マイケルのソロアルバム『オフ・ザ・ウォール』が出ているので、アルバムの内容は、『オフ・ザ・ウォール』のヒット曲と、ジャクソン5及びジャクソンズ時代の名曲てんこ盛りという、ソウル好きR&B好きには堪らない内容だ。

廉価なため音質が心配だったが、これも全く大丈夫。
元々、作り込んでいないシンプルなライブ音源だし、何といっても20代前半のマイケルとお兄ちゃんたちの、屈託のない、若さあふれる張りの泣き虫マイケルある声、リズムに魅了される。

マイケルのMCや兄弟たちとの掛け合いも微笑ましく、観客たちの黄色い声援に、当時の人気のほどが伺える。

マイケルも、1人でライブを背負っている重圧がないせいか、とてものびのび、リラックスして聴いている方も楽しくなってくる。

こんな美味しいアルバムなのに、値段がなんと、663円なんですよ〜!

コストパフォーマンス高すぎ、デフレのせいか、ドル安のせいなのか!

たった663円でこんな幸せな気持ちになるなんて、そんな安っぽい私が好き。

そして聴いているうちに、中学校時代の、よく通った映画館、古くて、トイレが臭くて、モギリのおばさんが愛想悪くて、それでも胸をワクワクさせながら通っていたあの頃を思い出す(それにしても映画『ベン』はしょうもない作品だった。どういう経緯でマイケルはテーマソングを歌ったのか)。それと体育館の倉庫の匂い。鞄の皮の匂い・・・。

無題1今、やっと気がついた。マイケル・ジャクソンは、私にとって、初恋だったのだ。そしてその恋は、細々ながらも続いていた。

だが2001年以降、彼の新曲は出ず、音楽活動も聞かず、聞こえてくるのはゴシップか裁判ネタだけ。
容貌も変っていく彼に急速に心が離れて行った私は、6月25日の訃報にも泣くことはなかったが、胸がざらざらするような虚しさを感じたものだ。

そして今、苦難の道を歩みながらも音楽を決して忘れなかったマイケルをしのび、これからも彼の音楽を愛していきたいと思う。

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コスモポリタンの哀しみ

結局、先月まともに読んだ本は、一冊だけだった、反省反省。

吉村昭著『アメリカ彦蔵』。

読み終わった後、何とも言えない哀しみ、孤独感がつのった。

1837年、播磨の国に生まれた彦太郎(のちの彦蔵)は、13歳の時、漂流民としてアメリカに渡り、学問を身につけ、3人のアメリカ大統領と謁見し(そのうち1人はリンカーン)日本人として初めてアメリカ市民権を得る。

流暢な英語で日本、アメリカの橋渡しに重要な役割を果たし、また日本で初めて新聞を発行している。

そんな経済的にも社会的にも恵まれた人生を送りながらも、彼には常に孤独感が付きまとっていた。

元々彦蔵は身内の縁が薄く、幼くして実父を、13歳で母を亡くしている。

初めて水夫として乗り込んだ船が難破し、アメリカ船に助けられるが、当時日本は鎖国政策をとっており、日本の入港はままならず、そのままアメリカのサンフランシスコに渡る。

多くの親切なアメリカ人によって彼は恵まれた生活と高い学問を身につけるが、やはり日本への郷愁は止みがたい。

日本が開国した時を機会に彼は帰国を決心するのだが、彦蔵がすでにキリスト教の洗礼を受けていたのがネックになった。当時の日本はキリスト教はまだ禁制で、無事入国するには、帰化したアメリカ人としての方が万事うまくいくのだ。

9年ぶりに帰化アメリカ人として日本に戻った彼は横浜で通訳として働くが、当時は維新前で攘夷の風が吹きまくっていた。多くの外国人やその通訳が、攘夷の武士から命を狙われている。

身の危険を感じた彦蔵は、一旦アメリカに戻るが、そこも今は南北戦争のさ中で人々の心はささくれ立ち、産業も落ち込んでおり仕事もない。

自分の知っている親切で暖かいアメリカはそこにはない。

失望した彼は再び日本行の船に乗る。どこに行っても自分の居場所はないのだ。

故郷の村に戻っても、そこは自分の夢見た故郷ではなかった。みすぼらしい村で、貧しい人々はぼろをまとい、彦蔵を好奇の目で見ている。アメリカで超一流の生活も垣間見ている彼には耐えられない。

思うに、彦蔵は高いコミュニケーション能力を持っていたのだろう。だからアメリカでも日本でも多くの有力者の援助や協力を得、日米の橋渡しをし、幕末期に大きな功績を残した。

だが、彼の孤独感、自分が根なし草のような寂しさは終生いだいていたのではないか。

彦蔵は61歳の時、胸痛に襲われそのまま還らぬ人となる。

晩年、彼は洋服を排し、着物を着て正座をして過ごし、毎日習字に励んでいたという。

アメリカ彦蔵 (新潮文庫)
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