マイケル・ジャクソンの映画『THIS IS IT』のDVD予約件数がすごい事になっているらしい。今月19日から再上映も始まるし、盛況なのは良いことなのだが、長年マイケルと確執があったソニーや、結果的に彼をハードワークに追い込んだAEGが、がっぽり儲けるというのが何だかなぁ。
まぁ業界のことは素人には分からないし、色々と大人の事情もあるんでしょうけど。
そんな私も汚れた大人のひとりだが、最近心が洗われるようなアルバムCDをゲットした。
それは、『JACKSONS LIVE』
意外だが、ジャクソン5、ジャクソンズの時代を含めて、マイケルの公式ライブアルバムCDは、この『JACKSONS LIVE』 だけなのだ。
ジャクソンズ名義とはいえ、もうこの時マイケルのソロアルバム『オフ・ザ・ウォール』が出ているので、アルバムの内容は、『オフ・ザ・ウォール』のヒット曲と、ジャクソン5及びジャクソンズ時代の名曲てんこ盛りという、ソウル好きR&B好きには堪らない内容だ。
廉価なため音質が心配だったが、これも全く大丈夫。
元々、作り込んでいないシンプルなライブ音源だし、何といっても20代前半のマイケルとお兄ちゃんたちの、屈託のない、若さあふれる張りのある声、リズムに魅了される。
マイケルのMCや兄弟たちとの掛け合いも微笑ましく、観客たちの黄色い声援に、当時の人気のほどが伺える。
マイケルも、1人でライブを背負っている重圧がないせいか、とてものびのび、リラックスして聴いている方も楽しくなってくる。
こんな美味しいアルバムなのに、値段がなんと、663円なんですよ〜!
コストパフォーマンス高すぎ、デフレのせいか、ドル安のせいなのか!
たった663円でこんな幸せな気持ちになるなんて、そんな安っぽい私が好き。
そして聴いているうちに、中学校時代の、よく通った映画館、古くて、トイレが臭くて、モギリのおばさんが愛想悪くて、それでも胸をワクワクさせながら通っていたあの頃を思い出す(それにしても映画『ベン』はしょうもない作品だった。どういう経緯でマイケルはテーマソングを歌ったのか)。それと体育館の倉庫の匂い。鞄の皮の匂い・・・。
今、やっと気がついた。マイケル・ジャクソンは、私にとって、初恋だったのだ。そしてその恋は、細々ながらも続いていた。
だが2001年以降、彼の新曲は出ず、音楽活動も聞かず、聞こえてくるのはゴシップか裁判ネタだけ。
容貌も変っていく彼に急速に心が離れて行った私は、6月25日の訃報にも泣くことはなかったが、胸がざらざらするような虚しさを感じたものだ。
そして今、苦難の道を歩みながらも音楽を決して忘れなかったマイケルをしのび、これからも彼の音楽を愛していきたいと思う。