ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2010年02月

美は両性具有にあり

白洲正子のエッセイ『両性具有の美』を読んだ。いやぁ楽しかった。

元々この人の文章は好きなのだ。妙なてらいがなく、ざくざくと核心を突いてくる所が気持ち良い。

以前も『白洲正子自伝』の中で、柳原白蓮の事を、「世間見ずのわがままなお姫さま」と非難していたが、思わず「世間見ずのわがままなお姫さまって、あんたのことやろー!!」と、突っ込みを入れたくなったが、そこがまた妙に憎めないんだなぁ。

さて、『両性具有の美』との表題だが、「女性」は見事なまでにスルー。「男色」の歴史、ホモセクシャル、美少年礼賛、といった具合で、女子には嬉しい一冊である。

まずは西洋、そして日本のヤマトタケル、源氏物語、西行、世阿弥、南方熊楠などが結んだ、性差を超えた愛を語っている。

ここで語られる「両性具有」とは、単なるオカマやホモではない、もっと深いもの、人間が男女に分かれる以前のかたちらしい。

あまりに完全無欠であったがために神様から男女の二つに引裂かれてしまったもの、具体的には10代の男の子たち。

この年頃の少年の、時に浮世離れした美しさにはドキリとするが、花の命ならぬ美少年の命は短い。

その儚さが、また物のあわれを感じるのだが、世の中にはその美しさを持ち続けている人もいる。でも彼らは女なぞ相手にしない。

「完全無欠」であるがゆえ、下世話な男女の性愛など求めず、彼らは性を超えたもっと高みを望んでいる。

そして孤高であるがゆえの、居心地の悪そうな憂いを含んだ表情や、たたずまいが、ますまず周りの人を男女問わず魅了するのだ。

この本の中にも出てくるが、昨年ブームになった興福寺の『阿修羅像』など、正しくそんな感じ。

さぁ、正子と一緒に美少年探しの旅に出よう・・・?

両性具有の美
両性具有の美
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帰りたかった舞台

マイケル・ジャクソンの映画『THIS IS IT』のDVDを初日に購入したものの、しばらく観ていなかった。実はあまり期待していなかったのだ。

さんざん劇場で観たせいもあるが、この作品はあくまで寄せ集めのドキュメンタリー映像で、大きなスクリーンの大音響の中で鑑賞するから映えるのであり、わが家のしょぼいモニターから見たらガッカリするのではないかと・・・・・。

・・・杞憂であった。
MJエァーまず、ヘッドフォンを使ったせいか、映画館では気付かなかった音を多く拾えた。

様々なパートの楽器の音はもちろん、マイケルの息遣いやステップを踏む音、くちゃくちゃガムをかむ音まで耳に入るのだからこれは楽しい。

そして劇場では見過ごしていた細かい動きや、マイケル以外のスタッフ、ダンサーたちやミュージシャンらも捉える事が出来て彼らの魅力も再発見出来た。

そんな訳で「本編」はすっかり堪能したのだが、「特典映像」を見ていて気になる事があった。

そこでは、ロンドン公演に向けての意気込みと共に、舞台で使う筈であった装置や仕掛け、衣装などを披露しており、その豪華さスケールの大きさに驚くと同時に、莫大な費用が掛かったのではと想像した。

シルク・ド・ソレイユばりの派手な舞台、大がかりな3D映像、特にエンディングの仕掛けにはさぞ観客は驚いたことだろう。
そして衣装、凝りに凝った水晶を何万も使ったもの、電飾を付けたもの・・・・。
衣装担当のデザイナーが『費用は幾ら掛かるんでしょう〜?』みたいなことを言っていたので、予算は気にしないで最高のものを作るよう指示されていたと思われる。

飛翔

もちろんこれらはマイケルのアイデアが中心で、彼が希望したものだ。

しかし・・・・、
特典映像の中で、プロデューサーの1人が、マイケルを称賛しながらも、申し訳なさそうに「採算がとれるかが問題なんです・・・・・」と語っていたのが印象に残る。

50公演という過酷なスケジュールを立てたのも、ペイするために必要だったのだろう。

昔、マイケルのライブを見に行った友人も言っていた。
『他の日本人アーティストと同じ、いやむしろチケットは安かった。その割に舞台は驚くほど派手で、あれで採算合うのかな〜』と。

もとより私はいい加減な似非ファンだが、長い間待ち続けていた真のマイケルファンはどう感じただろうか。

例をあげて言うと、ある女性がいて、彼女には10年ほど前、出て行ったきり音信不通になっている恋人、兄、弟でもいい、いたとする。
風の噂では悪いことばかり伝えられる、お金にも苦労しているらしい、心配で堪らない。

そんな彼がある日ふらっと帰ってくる。
がりがりにやせているのに、手には持ち切れないほどのお土産を抱え嬉しそうに笑っている。
グラミー賞その女性はきっとこう言うだろう。

『私は、あなたの顔さえ見られたら幸せなのに、こんな無理をして、ホントにばかねぇ…』と泣き笑いするだろう。

ファンの人たちは、電飾のきらびやかな衣装や大掛かりな仕掛けを望んでいた訳ではないと思う。

たとえマイク一本でもいい、元気で歌い踊るマイケルが観たかった筈だ。

でも彼は完璧を求めていた。観客の驚かすのに喜びを感じ、子供のように胸をワクワクさせ、あれこれアイデアを考えていたのだろう。

マイケルの血のにじむような努力とファンたちの忍耐、それが徒労に終わったとは思いたくない、そこには確実に「愛」があったのだから。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
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