最近立て続けに、台湾映画を2本見た。
『海角7号』と『言えない秘密』だ。
ちなみに『海角7号』、邦題は、『海角7号 君想う、 国境の南』だが、なんとも長いタイトルをつけたものだ。これじゃまるで大時代的なメロドラマのようだ。
この『海角7号』、台湾では「タイタニック」に次いで、歴代2位の興行収入だそうだが、私が見た限りでは、時々面白いなと思いながらも特に感銘は受けなかった。
たぶん、歴史的・社会的に、台湾人の琴線に強く響くものがあったのだろうが、日本人の私にはそれを見抜く感受性がなかったらしい。
さて、『言えない秘密』の方だが、その画像の美しさ、音楽の繊細さ、完成度の高さに、最初から最後まですっかり魅入ってしまった。
この作品で監督、脚本、主演、そして音楽を担当するのが、ジェイ・チョウ(周杰倫)だ。
台湾のトップアーティスト、歌手、作曲はもちろん、最近は『頭文字D』や『王妃の紋章』など俳優としても稀有な才能を見せるジェイだが、天は彼に三物も四物も与えたらしい。
さて、物語だが、赤レンガ造りの校舎、制服に身を包んだ高校生たち、古びた音楽室とピアノ、自転車の二人乗り。
生徒たちは笑いさざめきながら登校し、授業を受け、ピアノの練習に精を出し、ラグビーで汗を流す。そして、その中ではぐくまれる、高校生同士のラブストーリー。
ジェイ・チョウ演じるシャンルンは、天才的なピアノの腕を持つ高校生だ。彼はふとしたことで同じ高校の美少女シャオユーと出会う。
古いピアノを二人で弾いたり、放課後、二人乗りの自転車で海沿いの街を走ったり、好きな音楽を聴いたり・・・・・。
見ようによってはあまりに古風で、今時こんな高校生いるかと笑われそうだが、若者ジェイ・チョウは、あくまでノスタルジックでピュアな世界にこだわる。
だが、その微笑ましいストーリーが、後半突然変わる。
物語は緊迫したミステリーとなり、愛らしい少女シャオユーは生々しい現実の世界に苦しみもだえる。
そして、シャンルンは彼女を救うために命がけの、ある決断をするのだった。
『言えない秘密』というタイトル通り、これ以上、詳しいストーリーは言えないが、伏線も上手にちりばめられており、最後は胸のすくラストシーンだ。
どんなに時代が変わっても、ピュアな愛は変わらない。
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