とてもチャーミングな映画を見た。アメリカ映画『フィリップ、きみを愛してる』。
内容は、詐欺と脱獄で、懲役163年の刑を受け、今も服役している実在の詐欺師、スティーヴンの物語だ。
IQ169の天才詐欺師の彼は、警察や裁判所などを相手に詐欺を、そして捕まれば、脱獄を繰り返すのだが、その目的はただ一つ、「恋人に逢うため」。
ゲイのスティーヴン(ジム・キャリー)は、保険金詐欺で服役していた刑務所で、フィリップ(ユアン・マクレガー)に出会い、一目惚れ。
それからはひたすらフィリップを喜ばせようと、遮二無二働き、詐欺を重ね、そして念願の2人だけのセレブな生活を実現させるのだが、やがて露見され、再び刑務所へ。
しかも欲のない優しい性格のフィリップは、スティーヴンが自分に嘘をついていた事ににショックを受け、もう会わないと宣言。
彼の愛は空回り・・・・。
そこで、スティーヴンは、命を賭けた一世一代の大芝居をするのだが・・・・・。
さて、何といっても見どころは、フィリップ役のユアン・マクレガーだ。
ややメタボな体型に、もっさりした動き。服装も地味で(つか殆ど囚人服だが)、別にしなを作ったりしないのに、なぜか乙女チック満載なのだ。
普通のおっさんなのに、このほとばしる可愛らしさは一体なんだろう。
ジム・キャリーがかなりの熱演なので、逆にユアンのほんわかさが心に残るのだ。
それにしても「愛」って究極のモチベーションだなぁ。
これだけ人を愛し抜くことができたら、結果がどうであれ幸せな人生だと思う。
ところで懲役163年って・・・。人を殺したわけでもないのに。ただ普通の人より、頭が良すぎただけのことなのに。
アメリカの司法ってやっぱり分らん。