ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2011年05月

馬車と風車と大工仕事

imagesCAYMBQBX私がよく利用するシネプレックス系映画館では、今『午前十時の映画祭』という企画が行われている。

これは往年の名作たちを、一年間連続50回、朝十時から入場料千円で上映するものだ。

そして今週は、『刑事ジョン・ブック 目撃者』ということで、公開当時、見逃のがしたこともあり、上映を待ち望んでいた私は、喜んで映画館に向かった。

粗筋は、『午前十時の映画祭』より、
ペンシルベニア州の片田舎に住むアーミッシュ(厳格な規律を守る超保守的なキリスト教の一派)の少年サミュエルは、母レイチェル(K.マクギリス)とともに叔母を訪ねて旅に出る。その道中、サミュエルは駅のトイレで殺人事件を目撃してしまう。担当刑事ジョン・ブック(H.フォード)はサミュエルの証言から警察内部の犯行だと感づくが、その矢先、犯人の手により銃で撃たれて負傷する。なんとか母子を村に送りかえすも、その帰りに気を失うブック。そして倒れていたところを村人に救われ……。

e0042361_23352233一見刑事もののサスペンス風だが、実はちがう。監督のピーター・ウェラーも、サスペンスにする気はさらさらないようで、早い時点で真犯人を明かしているし、ラストの、ジョン・ブックと犯人の死闘も、取って付けたようだ。

この物語のテーマは何と言っても『アーミッシュ』である。

こんなに誠実に、アーミッシュの人々、生活、その精神性について描いた作品がかつてあっただろうか。

シンプルで静かな生活。争いを好まない穏やかな人々。
電気のないほの暗い室内は、未亡人レイチェルの陰りある美しさをより引き立たせる。

74たアーミッシュの人々が独特の言語(ドイツ古語)と英語を巧みに使い分けているのも印象的だ。

例えれば、ふだん方言で生活をしている人が、外部の人に対しては標準語で話すような。

彼らは独自の生活スタイルを持っているが、外部の人々(彼らはイングリッシュと呼んでいる)をまったく拒否しているわけではない。

自分たちの文化を守りつつ、イングリッシュの人たちと穏やかに共存することを望んでいる。

だから観光客らが、アーミッシュに対して見世物のようにカメラを向けても、抵抗しないし、地元の悪ガキから罵倒を浴びせられても、じっと耐えている。

刑事受容というか、あるがままに受け入れているという感じで、東洋思想にも通じる、ある意味大人な人たちなのだ。

さて、この映画の一番の見所は、アーミッシュの村人全員が参加する納屋作りのシーンだろう。

みんなで力を合わせ1日で大きな納屋を作り上げる様子は圧巻だし、最初、ジョン・ブックに対して距離を置いていた村人たちも、一緒に汗をかくことで少しずつ心を開いていく。

63そしてラスト、いつも嫁や孫に「イングリッシュには気をつけろ」と厳しくいさめていたレイチェルの義父の、最後の言葉に思わずほっこりとなった。

ああ、それにしてもアーミッシュの世界には憧れるなぁ。

怠け者で協調性のない私がなぜ、こんなに惹かれるのか分からないのだけれど。

そして、男はやっぱり、大工仕事が出来ないとね。

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読書会の愉しみ

keyv『読書会』という言葉に憧れを持ったのはいつのことだったか。

たしか村上春樹のエッセイの中にあったと思う。

好きな作家の作品について、愛好者たちが集い、それぞれの思いを語り合うのだ。

よく公立図書館などで開かれているそれは、大学の講師や地元の著名人においで頂いて、先生の話を伺うことに終始することが多い。

やはり『読書会』の楽しみは、年齢、性別、職業に関係なく、対等に語り合うことで、それにより思いがけない発見もあるだろうし、また本による仲間の絆というのは意外と強かったりするものだ。

今、ネット上で、『読書会』がよく行われているようだが、私としては生身の人の声を聴きたいし、聴いてほしい。

photo_interviewさて、アメリカ映画、『ジェイン・オースティンの読書会』というDVDを観た。

これはアメリカの地方都市に住む5人の女と1人の男、それぞれ問題を抱えた彼らが、月に一度、英国作家、ジェイン・オースティンの読書会を開くという話だ。

夫に離婚を切り出され苦しむ妻、人の恋のキューピットばかりで自分の恋はさっぱりの女、無教養な夫と母にウンザリしている高校教師などなど、彼らの悩みは複雑だ。

オースティンの六つの長編小説にちなみ、毎月一冊ずつ持ち回りで会を開くのだが、彼らの実生活と小説の内容がリンクしているのが面白い。小説好きにはたまらないだろう。

オースティンの小説は、恋愛、結婚、家族といった身近で、そして普遍的なものがテーマになっている。

だから今の時代にも、切実に胸にせまるものがあるのだ。

さて映画のほうは、ラスト、大団円でハッピーエンド、いかにもアメリカンな感じで笑ってしまった。

本を読むのは楽しい。1人で読むのも良いが、たまには仲間と思いを分かち合うのも、読書の醍醐味かもしれない。

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