ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

2011年07月

おもてなしの心

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今のところ、今年もっとも嬉しい出来事と言えば、サッカー女子ワールドカップドイツ大会における、日本チームの優勝だろう。

ご多分にもれず、私は女子サッカーについては、ニワカだが、夢中になった理由は、なでしこ達の活躍だけではない。

初めてテレビで予選リーグを観たとき、その観客の多さにまず驚いたのだ。

私自身、どうせ女子の試合、という偏見があった。しかもその時はドイツではない他国同士の試合だったのだ。にも関わらず、地元ドイツ国民たちの熱心な応援に、思わず
『もしかしたら女子サッカーって面白いのかもしれない、サッカー王国のドイツ人がこんなに観戦しているんだから…』

そう考え出すと、緩慢だと思えた女子の動きも、逆にゲームが見やすく、男子と違いこずるい事をせず、基本に忠実でフェアな女子に、とても好印象を抱くようになった。

その後も観客は増え続け、決勝戦では約5万枚のチケットが売れ切れ、会場は大入り満員だった。

アメリカと日本、ドイツどころかヨーロッパ大陸以外の国同士の戦いに、こんなに熱い声援を送ってくれたドイツ人たち。延長戦を過ぎ、PK戦を過ぎ、表彰式を終えるまで、満席の観客は、しっかり見届けてくれた。

同時に開催されていた南米のコパアメリカで、試合によってずいぶん空席が目立つことがあったことを考えてみても、これはスゴイことだ。

また設備やセレモニーといった舞台装置の豪華だったこと。

特に表彰式は、ドイツで2006年開かれたワールドカップより派手だった(前回は確か花火はなかったと思うが)

男子と遜色ないというよりも、男子以上に豪華な舞台装置だった。
5年前ワールドカップを開いた時の設備やノウハウがあるとは言え、そのホスピタリティには頭が下がる。

なでしこ達の清々しさと、ドイツ人たちのおもてなしが深く心に刻まれた、今回の女子ワールドカップだった。
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画家たちの暗い青春

画家たちの二十歳の原点

前回のエイミー・ワインハウスのように、音楽家には、若くして驚くべき才能を発揮する人がいる。
古くはモーツアルト、日本においても、宇多田ひかるは16歳でミリオンセラーを出したし、滝廉太郎は21歳で『荒城の月』を作っている。

10代20代ですでに完成されているのだ。もちろん年配の音楽家もいるが、やはり若い頃の勢いは感じられない。

それに比べ、画家で若い頃ブレイクした、という人を私は知らない。

以前ゴッホの若い頃の絵を観たら、とても基本に忠実で、でも凡庸な感じだったのを思い出す。
つまり、絵や彫刻、陶芸などは年を重ねれば重ねるほど、アバンギャルドになっていくようなのだ。

では今をときめく画家たちは二十歳の頃どんな絵を描いていたのか。

先日、下関市立美術館で『特別展 画家たちの二十歳の原点』を観た。

明治から現代までの画家たちの、二十歳前後の油彩作品を集めたものだ。画家は53名、作品数は約110点。

黒田清輝、青木繁、梅原龍三郎から、草間弥生、横尾忠則、石田徹也まで、夭逝した人、長生きした人、現在も活躍中の人など、そうそうたるメンバーの20歳の原点がそこにあった。

それぞれに見ごたえがあったが、全体的にどの作品も暗い。
まだ自分が何を描いたらよいのか分からない、テクニックや基礎に縛られて思うように描けない、あるいは尊敬する画家の呪縛から逃れられない。

絵の横には、作家たちが書いた日記や手紙の言葉が張ってあるのだが、悩み、苦しみを吐露したその言葉がまた重く暗い。

20歳の画家たちにとって明るく楽しい青春なんて全く無縁なのだ。

ただ20歳で結核で亡くなった関根正二の絵はしっかり完成されていたように思う。
自分の宿命を悟っていたのだろうか、すごい人だ。

結核、スペイン風邪、そして不慮の事故死というのが、早世した人たちの原因トップ3のようで、自殺した人は、いないようだ(よく分からないが)

そんな訳でかなり考えさせられた特別展でした。個人的には石田徹也氏には生きていてほしかったなー。
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可愛いエイミー

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イギリスの歌手、エイミー・ワインハウスは大好きなアーティストだ。

たぶん中学生の頃キャロル・キング以来の、夢中になった女性歌手ではないだろうか。

初めて彼女の歌声をラジオで聴いたとき、きっとこの人はベテランの黒人ソウルシンガーだと思い込んだものだ。


それほどエイミーのボーカルは熟成されたいぶし銀の魅力に溢れていた。

そして代表曲『リハブ』を聴くと分かりやすいのだが、彼女のボーカルはテンポが少しずれているというか、微妙に遅れている。

だが逆にそれが心地よく味わい深い世界を作っているのだ。

きっと彼女は既成の『音楽機構』にとらわれない稀有な才能の持ち主なのだろう。

そんな魅力あるエイミーだが、2006年の名アルバム『back to black』以降、ここ数年聞こえてくるのはゴシップばかり。

薬中毒、アルコール中毒、奇行、逮捕・・・・・・。

スキャンダラスなニュースは、彼女が2008年グラミー賞で5部門受賞した後でも、終わることはなかった。

今年に入って、もはや「廃人同然」という噂も聞き、やきもきしていた時、スカパーで、エイミーのライヴ映像を観ることができた。

それは2008年7月、アイルランドでの野外ライヴで、黒っぽいスーツの男性バックバンドを従えたシンプルなステージだ。

そこでの、白いキャミソールドレスのエイミーのなんと可愛らしい事!

優等生レディ・ガガのようにダンスが出来るわけでもなく、歌いながら不器用に体をくねらすだけ。

そのしぐさが、まるでおしっこをがまんしている少女のようで、頻繁にずり落ちてくるキャミソールドレスの肩ひもをせわしなく上げる仕草。

その無頓着さ、天真爛漫さ、思わず抱きしめたくなるほどの愛おしさ。

それでいて響いてくるのは、深みのある天下一品の歌声だ。

今は批判の嵐にさらされているが、彼女はいつか必ず復活する。新しいアルバムを楽しみに待とう。そう思ったものだ。


今朝、新聞の片隅で、エイミーの訃報を知る。享年27歳。
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