0383私の住む市には、宇宙をテーマパークとした、スペースワールドがあった(なぜか過去形)。これは新日鐵の子会社で、元々宇宙をテーマにした学習体験施設のはずだった。

当初、ここで無重力体験ができる!と聞かされたときは、よくテレビで見る宇宙飛行士が船内でプカプカ浮いている、あれが体験できるのかと色めきたったものだが、実は伸縮性のある椅子を天井から吊るし、それにすわってムーンウォーカーもどきを体験するんだと。まぁちょっと考えれば、そんなNASA並みの設備をこんな片田舎に造るわけないよね。

それはさておき、学習施設だと客が呼べないと気がついたのか、翌年より絶叫マシーンを取り入れ、そこそこ集客があったがそれも飽きられ、年々入場者数は減り、赤字を重ねた。

何の戦略もない場当たり的な経営を行なったのは、昔の官営八幡製鉄の名残りか官吏的な性格の強い、新日鐵の方々である。

私も二度ほど遊びに行った事があるが、何かすべてが中途半端な印象だった、学習施設としても遊園地としても。

本日も、この施設のそばを通ったのだが、天気のよい日曜なのに駐車場はガラガラ。スペースシャトルのオブジェだけが異様に目立つ。

さて、このたびスペースワールドは、民事再生法の適用を受けた。そして北海道の加森観光が1000万円出資し、完全子会社化する。それについて新日鐵側は「ただでも良かった」と、スペースワールドから手が切れてホッとしている様子がうかがえた。

北海道のスキー施設や別府の杉ノ井ホテルなど、これまで多くの観光施設の経営建て直しを行なってきた加森観光だが、今回は難しいのではないか。スキーや温泉といった核となるものがここには何もないから。今どき宇宙飛行士になりたい子供たちってそうたくさんいるとは思えないし。

また加森観光は経費節約のため、今まで中古の遊具を利用してきたというのもちょっと心配だ。以前スペースワールド内で遊具で人身事故が起きているし、また最近は小規模ながら地震も多発している。

いっそスペースシャトルのオブジェをつくりかえて、ガンダムワールドにするとか(これこそ場当たり的か)

 

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