0244山口県の萩市は、萩焼、そして幕末維新の城下町として知られている。ひなびた風合いの萩焼は大好きだし、吉田松陰の松下村塾は何度も行ったことがある。

ただ、今はこれといった産業もない、静かな山陰の小都市である。

さて、この地に建つ萩国際大学は、このたび大学では珍しい民事再生法の適用を申請した。6年前、萩女子短大から四年制大学に移行してからずっと定員割れが続いていたのだが、今春は300人の定員に対しわずか42人、今現在の学生数は194人、うち116人は中国などの留学生である。

この大学は以前、就労目的で来日した中国人就学生の失踪が表面化し、問題になったことがある。留学生のほとんどが東京などの都心部に移り住んでいたという「酒田短大」の二の舞になるのでは、と心配していたが、その後大学は、なんと学生獲得のためか「ゴルフ文化コース」なるものを設けている。

私は大学経営のことなど皆目わからないが、一体ここの経営者は何を考えていたのだろうか。全然ビジョンが見えない。とにかく学生が来れば良い、もし定員割れすれば、中国人留学生で穴埋めしようと軽く考えていたのだろうか。

だが、例の福岡一家殺害事件後、中国人就学生・留学生に対して入管が厳しくなった。学習能力・意欲が高く、且つ日本での生活費・授業料等のお金を充分持ち合わせている事、そしてそれが不正なお金でないことを公的にキチンと証明出来なければ入国できなくなったのだ。大学側にとっては、まさに晴天の霹靂だろう。

小手先で学生数を増やそうとすればするほど、学生は離れていく、という悪循環の末、このたびの民事再生法となったのだ。

小体で美しい町、萩が大好きだからこそ、このたびの騒動は悲しい。

かの吉田松陰も、あの世でさぞやため息をついていることだろう。