0272新聞やテレビでは、公務員にボーナス支給とか今夏 の大企業のボーナスは高い伸び率とか、まぁ結構なことである。

ボーナスと縁のない生活になってどれくらいになるのか、ニュースを聞いて、「チェッ、良いなぁ」とうらやましく思いつつも、実はそんなに悪い気はしないのだ。

長年のビンボー生活経験者から言わせてもらえば、

「金持ちが豊かにならなければ、貧乏人も豊かにならないのだ」

以前婦人服販売の仕事をしていた事がある。ややリッチ層の奥様を対象としたニット商品で、バブルの頃はダンボールから商品を出して吊るしておけば売れる時代だったが、不景気になるにつれ状況は悪化する。

商品が売れず在庫が増えれば、値段を下げることになる。

だが安くしたからといってすぐ売れるわけではない。客単価が高くても低くても、売るための販売員の労力は同じなのだ。それに値札を作り変えたりポップを新しいものにしたり作業だけが増える。

それでも売れなければ山のような返品作業が待っている。売り上げに貢献しない空しい雑務の日々。他の売り場を見てもわかるのだが、売れている店の販売員は定時でさっさと帰っている、売れない店ほど遅くまで残って作業やらミーティングの日々だ。

順調に売り上げが伸びている店は商品の回転も良く、販売員も心にゆとりがある。そうでない店の販売員は数字と雑務に追われ、表情が暗い。お客がどちらのお店を選ぶか、言わずもがなである。そうして悪循環は繰り返す。

売る方から見れば、気持ちよくお金を払って買い物をする人は、有難いものだ。お金持ちならば、きれいにお金を使ってほしい。

お金持ちとは、イコール生産性の高い人だ。そんな人がわずか数百円そこら節約のためスーパーのはしごをするなんて、貴重な時間をどぶに捨てているようなもの。電化製品の値引き交渉なんて認めません。100均は、所得制限を設けて、高所得の人は入れないようにしましょう。

買い物などさっさと気持ちよく済ませ、お金持ちの人はもっとより高次的なもの、生産性の高い事に打ち込みましょう。

そしてビンボー人は・・・・、市民プールでひと泳ぎし、クーラーのきいた公立図書館で本を読み、人の少ない平日の市民公園のベンチにすわり「お金持ちの方々、税金を払ってくれてありがとうございます」と感謝しながら、手作り弁当とお茶をいただくのである。