「師弟対決」 ドラマチックでありながら、どこかほろ苦い言葉だ。
 
以前、大相撲で、曙と小錦の一番を見た事がある。
押し出しで曙が勝った瞬間、彼は敗れた小錦に向って、静かに頭を下げた・・・。
 
相撲界では、兄弟子や先輩に勝つことを「恩返し」という。
同じハワイ出身の力士として、ずっと尊敬し目標にしてきた小錦に恩返しできた曙の気持ちは、いかばかりであったろう。
 
さて、映画「スターウォーズ掘.轡垢良讐」にも、師弟対決が出てくるが、これがもう銀河系一、悲しく後味の悪い戦いなのだ。
 
そもそもエピソード1で、アナキンの師匠オビ=ワンの役をユアン・マクレガーが演るのを知ってから、なんかやな予感がしていたのだ。
 
旧スターウォーズ三部作に出てきたジェダイの師は、アレック・ギネス扮する老オビ=ワンとか、ヨーダなど、人間を超越した存在だった。エピ1に出た、オビ=ワンの師匠を演じたリーアム・ニーソンも、髪を長く伸ばし仙人のような風貌にしたせいか、人間の生臭さが消えていた。
 
それに比べユアン・マクレガーは若々しく男の色気もある。7,8年前だったら彼がアナキン役を演ってもおかしくないほどだ。
 
そして、アナキンは、師オビ=ワンと死闘を繰り広げているさなか「I hate you」と叫んだ。
 
アナキンはなぜ師を憎んだのだろうか。自分の方が能力があるのに認められなかったから、いやそうではない。
 
彼が憎かったのは、師がまだ若いのにも関わらず、我欲を持たない人格者だったことだ。出世欲や物欲、性欲からも無縁だ。
 
四六時中アミダラ姫の事を考え悶々とし、ジェダイ・マスターに昇格されない事にイライラしている煩悩だらけの自分とは大違いだ。いっそ師匠がヨーダのような仙人だったら、こんな悲劇は起きなかっただろう。
 
またオビ=ワンも、自分が無欲であるがため、アナキンの苦しみをわかってやれなかった。つかジェダイの騎士って、こと男女の色恋に関してはあまりに鈍い、鈍すぎる。幼稚園児並だ。
 
そんなわけで、もし私がアミダラ姫だったら、アナキンよりオビ=ワンを選ぶな、でも性欲がないんだよな、モッタイナイ、などと下世話な感想もかましつつ、スターウォーズ郡兩鏥は終わりとする。
 
 
    
 
 ユアン・マクレガー 

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