0429今簿記の勉強をしているのだが、遅々として進まない。これはひとえに私の集中力の無さからで、問題を読みながらも、「こんなに手形を乱発して、この会社大丈夫か」とか、「額面96円で年利8パーセントの社債?、どこの会社だ」なぞと、いたらぬ事を考えるからいけないのだ。

さて、私の学習進捗状況はどうでもいいとして、気になるのが簿記の先生のおっしゃる「昔1級の試験範囲だった問題が、今は2級の範囲になっている」ということば。つまり試験のレベルが昔と比べてかなり上がっているというのだ。

そういえば知り合いの年配の方で、毎年英検準一級を受けては落ちている人がいる。何でも試験の内容が年々難しくなっているそうで、特にその方の苦手なリスニング部門の範囲が去年から大幅に増え、どんなに勉強してもその分試験のレベルが上がるので追いつかないのだと。

まるでギリシャ人ゼノンの唱えた、亀に追いつけないアキレスみたいだが(ちょっと違うか)、それだけ、世の中進歩しているってことか。

そう言えば、ロサンゼルスオリンピック鉄棒で10点満点をとった森末選手の演技は、現在なら8点にも満たないらしい。スポーツの世界記録も年々更新されている。

よく、わけ知り顔の年寄りが、「昔と比べて近頃の若いモンは・・」など意見しているが、そんな繰言は聞き流して良い。若いモンは確実に進化しているのだ。

さて先日、図書館学が専門の大学教授の話を聞く機会を得た。市町村の図書館のための地方交付税が、いつの間にか曖昧になって消えている状況に急に怒り出したり、かなりユニークな先生だったが、ご他聞にもれずこの方もやはり「最近の子供は本を読まない」と嘆いている。

ほんとにそうだろうか・・・・。私が子供の時だってそんなに読書の好きな子はいなかった。クラスに1人か2人、いかにも真面目で優秀な子がよく本を読んでいたぐらいだ。

私は優秀ではない割にはよく本を読んでいた方だが、理由は簡単。他に娯楽がなかったからだ。もし今の子のように自分の部屋にテレビがありゲームが豊富にあったなら、読書時間は大幅に減っていた事だろう。

たまに夜のバスの中で、塾帰りらしい子供が熱心に「ダレンシャン」や「ハリーポッター」を読んでいるのに出くわす事がある。勉強、塾、複数の習い事、ゲーム、テレビ、その間をぬって本を読んでいる彼らは、少なくとも私の子供の頃よりも数段進化しているはずだ。

追伸:もっと絵本が安くならないだろうか。大人だって読みたいのに高すぎる・・・・。

   

  
ダレン・シャン―奇怪なサーカス