さびれた地方都市で目立つのは、パチンコ屋とサラ金の看板、そしてラブホテルである。地方経済を象徴するようなそれらに、最近仲間が増えた。老人介護施設だ。

いわゆる老人ホームの他に、ケァセンターとかディ・サービスセンターとか呼ばれるものがたくさん作られている。
それらが住宅地ではなく、国道沿いや高速料金所のそばなど、車で行きやすい場所にあること、建物が瀟洒であることなど、ラブホテルとの共通点が多い。最近その手のホテルは、けばけばしさが消え、落ち着いた外観が増えてきたので、中には間違える人が出てくるかもしれない。

でも昔の老人ホームは精神病施設と同じく、人里離れた場所にあり、まさしく姥捨て山だったのだから、隔世の感がある。

さて、人によって考え方は様々だが、“年寄りは都会に住め”は、私の信条である。
トコトコ歩けばコンビニや商店街、病院があり、老人割引バスに乗って、図書館や美術館、映画をこれまた割引料金で楽しんだり、つまり、丸腰の人間が生活するのはやはり都会、出来れば地方の小都市が良いのだ。

年をとって何より怖いのは「暇」だ。お金の心配や病気などは、いざとなればお上に泣きつけばどうにかなるかもしれないが、「暇」のつぶし方は誰も手伝ってくれない。

旅行に出ると、田舎って良いなぁと思うこともしばしばだが、やはり私は雑然とした都市が好きだ。

ラブホテルと見紛う老人施設が都会に増えるのは、実はとてもうれしいことなのだ。