会社の昼休み、私がよく行く食堂はとにかく量が多い。

豚カツ定食を例にとると、大盛りのご飯、味噌汁、香の物は当然として、メインの豚カツは大皿にはみ出さんばかりに乗せられているし、それ以外に小鉢が4皿、ポテトサラダ、ひじきの煮つけ、揚げ豆腐、かぼちゃの煮つけなどが付く。もちろん付け合せのキャベツもたっぷり盛られてくる。
それで450円なのだからイヤになってしまう。

客層はガテン系の男性が多い。以前はもっと品数が多かったのだが、お客から「量が多すぎる」とのクレームがあり、今の品数になった。

初めのうちは目を白黒させたものだが、今では馴れっこになってしまった。

ここの店主は年配の女性だが、このおばあちゃん、私たちが食べ終えると、やおらテーブルにやって来て

「お嬢さん方、食後のデザートどうぞ」と、時々女だけに、モナカやかるかん(鹿児島名物ね)、柿などをサービスしてくれる(おばあちゃんの目には、女性高校生も40女も、お嬢さんに見えるらしい)

どうやら彼女は、「女は甘いものが好き」と信じ込んでいるようだ。

もしおばあちゃんが妙に機転がきく人で、「女性なので、ご飯を少なめにしました」などと言われたら、少なからず反感を持っただろうが、相変わらず豪快に大盛りのままなのが嬉しい。

「男性でも甘いもの好きな人いるけど、まぁせっかくのおばあちゃんの好意だしぃ」と思い、太鼓腹になった中年女たちは、シーハーシーハーしているおじさんたちのテーブルの間をぬぐい、おばあちゃんに精いっぱいの愛嬌を振りまきながら、寒空の下、職場へと戻るのであった。