先日の夜、テレビをつけたところ、なんか若手社長タイホとかで、各番組は上や下への大騒ぎ。

・・・・・おいおい、そんなことよりもっと報道すべき事あるだろ・・とひとりごちながらチャンネルを変えると、NHK教育で「きょうの料理」をやっていた。講師は私の大好きな鈴木登紀子センセ。そして献立が、これまた私の大好きなぶり大根!もう見るしかない。

そして、登紀子センセの作られたぶり大根のまぁ美味しそうなこと。味のしみ込んだ大根は飴色にかがやき、まるで琥珀のようだ。こうなったら明日のおかずはぶり大根しかない。もう頭の中ではだいこんとぶりが腕を組んでダンスをしている。

翌日さっそく作ってみる。さすがに登紀子センセのようにはいかないが満足の出来、ハフハフ・・・。一日たつと味がしみてもっと美味くなるだろう。

料理には「出会いもの」が多いけど、このぶりと大根ほど幸福な出会いがあるだろうか。どちらも今が旬だから、味も良いし値段も安い。
大根はぶりの生臭さとあくの強さを和らげながら、しっかり旨みを吸収する。

こんないい仕事をしている大根なのに、なぜか世間では扱いが冷たい。大根役者とか、大根足、一時話題になった大根めしは貧困の象徴だ。オールマイティなところが、逆に軽く見られているのかもしれない。

以前、池波正太郎のエッセイで、知人が重い病気になったが、医者にかからず大根だけを食べ続けて完治した、というくだりがあった。大根には毒消しの作用もあるようだ。

さて、今度は池波氏の時代小説を真似て、「小鍋立て」をしよう。一人用の小さな土鍋で、あさりのむき身に大根の千六本、もしくは豆腐に大根といった淡い取り合わせだ。

ささやかな冬の愉しみはまだまだ終らない。