最近、私のよく行く書店が、大掛かりな改装をし、店内の本を、読めるコーナーが作られた。そこは大そう居心地が良く、時間のある時は、木の椅子とテーブルでゆったりすわり読み(?)を楽しんでいる。

さて先日、この読書ルームで読み終えたのが、今ベストセラーになっている藤原正彦氏の『国家の品格』である。

読み終えて、思った。「やばい、やばいよ藤原さん」

氏の文章はとても読みやすいし分りやすい。2、3時間あれば、誰でも読み終えるはずだ。そして多くの人たちが
「やっぱり日本はすごいんだ!」と思うだろう・・・・・。

はっきり言おう。これは大変良く出来た、おやじの床屋談義だ。

徹頭徹尾、日本マンセーの姿勢には頭が痛くなる。確かに日本は歴史があり固有の文化を持っているが、他の国だってそれはある。

日本の長所を語るのであれば、同時に短所にも言及しないと片手落ちだ。本当に品格のある人だったら、こんな一方的なことが書かれている本は読まないだろう。

そして品格のない人がこの本を読んで、「ヤッター、英語勉強しなくて良いんだ、論理的じゃなくていいんだー」となる。つまり、氏の思惑とは逆の方向へ行ってしまう可能性があるのだ。

さて、どんな人が品格がないかと言うと、たとえば、お金も払わずに本屋で立ち読み(すわり読み)をしておきながら、えらそうにその本を批判する、泡沫ブロガーなどが、それにあたる。