今から7〜8年前だったろうか、福岡ドームに日米野球を観に行ったことがある。まだメジャーに行く前のイチローや松井秀喜、メジャー側は、マグワイアとホームラン競争を演じた、サミー・ソーサなど木出場し、楽しかったが、その中で印象に残るシーンがあった。

松井秀喜が初めて打席に立った時、メジャーの外野が、ずいぶん前身守備だったのだ。しかも動きも緩慢でへらへら笑っている。

「なんかアメリカ、日本をなめきっているよねー」と友人としゃべっていたら、「カーン」と乾いた音が響き、松井の打った球が、広いドームに大きな弧を描いた。それからアメリカチームのハートに火がついた。

だが、結局この試合は、イチローも盗塁などで活躍し、日本が快勝した。
何より、メジャー側が日本に対して真剣に勝負するようになったのが、心に残っている。

さて、昨日の朝、何気にテレビをつけたらメジャー・リーグをやっている。
「あれ、何でこの時期に・・・・」と思ってよく見たら、ワールド・ベースボール・クラシックだった。
それほどWBCに関心がなかった私だが、見ていると面白く、とうとう朝の家事も忘れて見入ってしまった。やはり日の丸を背負った試合は、緊張感がある。

疑惑の判定はともかく、久しぶりに野球の楽しさを味わった。日本もアメリカも真摯でひた向きで、まるで高校野球のようだった。

思うに、試合の雰囲気を変えたのはイチローの先頭ホームランであろう。
シュアなバッティングの彼がホームランを狙ったのは、日本のチームメイトに対する「おらおら、勝ちに行ぜ!」という無言のメッセージだったのだが、そのメッセージは、日本チーム以上に、アメリカチームに効いてしまったようだ。

確かに後味の良い試合ではなかったが、これだけメジャー側をあわてさせた事に関しては、溜飲を下げてもいいのでは。

出来れば、再びアメリカと試合が出来ますように。青くさい高校野球のようなプレーをまた見てみたい。