お堀
最近BS放送で、「懐かしドラマシリーズ」が始まった。「ローハイド」「コンバット」「逃亡者」「アイ・ラブ・ルーシー」というタイトルに、思わずノスタル汁があふれ、時間を調整してなるべく観るようにしている。

先日は「ローハイド」を楽しんだ。あの有名すぎるテーマ曲にもしびれたが、何といっても若き日のクリント・イーストウッドの姿を拝めたこと。今、巨匠となった彼からは想像できない、やんちゃで実直な若者を演じている。
幼い頃、白黒テレビで見たヒーローが、今だに第一線で活躍しているのは感慨深い。

さて、テレビで「ローハイド」を見た同じ日の夜、今度はDVDで「ミリオンダラー・ベイビー」を鑑賞する。

「ミリオン〜」の方は、ストーリィーを知らなかったので、物語の意外な展開にも驚いたが、それにもまして、クリント・イーストウッドのあまりの老けように唖然とした。

顔の縦横に刻まれたしわ、骨ばった顔、いぶし銀どころではない、あれはまさしく老醜だろう。彼を見ただけで私は「この物語、少なくともハッピーエンドじゃないな」と思ったもの。

「ローハイド」後の、マカロニ・ウエスタンや「ダーティハリー」シリーズでの勇姿が目に焼きついている私は願う。「クリント・イーストウッドよ、もうスクリーンには出ないでくれ」

俳優にとって容姿は重要だ。老いた人が主役を張るのは無理がある。かといって彼に“枯れた老人役”は似合わない。

これからは監督業だけに専念してもらいたいな、と、アカデミー受賞作品を観ながら、はからずも考えてしまった春の夜であった。

ミリオンダラー・ベイビー