ステンドグラス先週、「山陰二大美術館めぐり」というツァーに参加したのだが、「足立美術館」に気持ちが行っていたためか、もう一つの美術館「ルイス・C・ティファニー庭園美術館」については、ほとんど予備知識がなかった。

「イングリッシュガーデンきれいだよ」と聞いていただけで、たいして期待もせず行ってみたのだが、これがどうして、予想以上に良かった。

アール・デコ風の美しいポーチ、咲き乱れる花々、そして館内に入ればガラス張りの広々とした回廊が続く。

そしていきなりガイダンス・ルームで写楽や歌麿の絵、柿右衛門の壺に出会う。

館内は19世紀後半から20世紀にかけてのジャポニズムが溢れている。

写楽アールヌーボーの美しい調度品の数々、ステンドグラス、宝飾品・・・・・。

有名な五番街の「ティファニー&カンパニー」に生まれ、たくさんの美術品を作ったルイス・C・ティファニーとその時代の作家の作品が、山陰の小都市の美術館の広々としたフロアに溢れている。

そして外に出れば、宍道湖の陽光と美しい草花たち・・・・。

大変素晴らしかった、素晴らしかったのだけど、美術館全体が何か空疎な感じなのだ。施設が広すぎるせいか、それとも展示品の豪華さのわりに、お客が少なかったせいか。

足立美術館のような、腹にズシンと来るような迫力が感じられないのである。

そして見学の後、旅行会社の人がそっと教えてくれた。

「ここ来年の3月で閉館するんですよ」

う〜ん、空疎な気持ちがするのはそのせいだったのか。やはりお客、来ないよねぇ、人口少ないし。こういちゃ何だか山陰よりも、神戸か横浜に建てた方がよかったのでは、などと色々考えた。

だが家に帰ってHPを見てひっくり返った。うわ、何か複雑そう。市長との間にどんな確執があったんだ。

後味の悪い結果になってしまったが、美術館自体は大変見応えがあるので、近々山陰に行く予定の方、ぜひ立ち寄ってみては。

日本を愛したティファニー