アゴタ・クリストフ著『悪童日記』の続編、『ふたりの証拠』は寂しい物語だ。

さっきまで一緒に遊んでいた友達が急に消え、泣きながら荒野をさまよい歩くような孤独感を感じた。

時代は、苦しい戦争が終わって、やっと平和な暮しが来ると思いきや、待ち受けていたのは外国から来た占領軍による支配と、厳しい全体主義政権の締め付けであった。

その町で、少年リュカは一人生きていく(双子の片割れは、国境を越えてしまったのだ)

そして不思議な事に、この続編では双子の存在がまったく消されているのだ。町の人はだれも、最初からリュカが一人だったように扱う。

そしてその町の人々が皆、孤独を背負っているのだ。不義の子を産んだ娘も、本屋の親父も、共産党幹部も、図書館の司書も。

ああこれに比べたら前作『悪童日記』は、戦時中で明日をも知れない暮しでありながら、なんて生き生きとした楽しい日々であったことか。

あの強欲なおばあちゃんでさえ、あたたかい懐かしげな人に思えてしまうから不思議だ。

そしてリュカの謎はますます深まるばかり。彼は本当に双子だったのか。

そんな訳で、続編『第三の嘘』いつか読みます。

ふたりの証拠

文盲 アゴタ・クリストフ自伝