実は私、不肖・宮嶋こと、報道カメラマン宮嶋茂樹氏の、十年来のファンである。
最初、週刊文春のグラビアを見ては腹をかかえて笑っていたのだが、ある日、本屋で著書『ああ、堂々の自衛隊』の表紙を見てハッとした。
そこにはボロボロのTシャツを着た華奢な青年が、日差しに目を細めながらはにかんでいる。優しそうな笑顔だ。
あの攻撃的な映像、懐古的な口調(始めの方のテキストは、勝谷誠彦氏が書かれたものだが)とは似ても似つかない、品の良い青年なのだ。
私は確信した。不肖・宮嶋は実はおだやかな青年なのだと。
彼は軍事オタクだが、大体オタクというのはおとなしい子が多い。軍事オタクでカメラが大好きな子供が、大人になっても気がつかずに被写体を追いかけているだけなのだ。
彼の撮った、戦時下の女性や子供達はみな、おだやかな優しい表情をしている。
戦火に遭った人々が、なぜ異国のカメラマンの前でそんな笑顔を向けることができるのか。きっと宮島氏自身が、おだやかで優しい子供だからだろう。
そんな彼も、もう40代半ば。かわいそうに髪は真っ白だ。ストレス、大変なものだろう。
世界中の戦火を飛び廻るのはもうムリじゃないかと思うのだが、でも彼は行くだろう。子供のように目を輝かせて。
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