羊元旦早々、「今年は(ブログ)は毎日更新するぞ!」と宣言しながら、いきなり2日のエントリーをサボってしまったへたれな自分だが、ほぼ毎日更新、と言うことでご容赦いただきたい。

さて、昨年亡くなった米原万里氏の著書に『オリガ・モリゾナの反語法』というのがある。

スターリン時代のロシア(ソ連)を背景に、激動の人生を歩んだ人々を描いたスケールの大きな作品なのだが、今日語るのはその内容ではない。本のあとがきに載っていたある女性ジャーナリストのことである。

その人の名はアンナ・ポリトコフスカヤ。

彼女はチェチェン紛争、チェチェンでのロシア軍の人権侵害を訴え、ロシアトップ、特にプーチンを糾弾してきた女性である。

あとがきによると、
エリッインがチェチェンで失敗したのは、ジャーナリストを野放しにしたせいだ。敵の兵士を殺すより前に、ジャーナリストを殲滅せよ、とKGB出身のプーチン大統領は檄を飛ばした。それで大勢の書き手はどんどん弾圧されて、今、女性の書き手ががんばっているんですよ。」
と、書かれている。

それを読んだ時は「ふ〜ん、ロシアにも江川紹子さんのような人がいるのね。でも相手があのプーチンだったら、江川さんの10倍は頑張らないと太刀打ちできないだろうな」
などとノンビリ考えていたものだ。

本のあとがきでは、自分の良心に忠実で誰が何と言おうと流されない、そんなロシア人の良い気質の例として彼女を紹介していたのだが、それを読んだ数日後に暗殺されるとは、予想だにしなかった。

彼女は2児の母でもあり、江川さんと同じ年齢だ。

その後も、ロシアで不審な死や毒殺があとを絶たないのは、周知の事実だ。

ある意味、これほど分りやすい図式はないと思うのだが、それでもプーチン大統領に対する非難の声はあまり聞かれない。

それが不気味で、ロシア政府に対してどうしても信頼が持てないのだ。

オリガ・モリソヴナの反語法