米原万里さんの著書『ロシアは今日も荒れ模様』を読んだ。

ロシア語の同時通訳者として、様々な要人と接してきた体験を元にした独自の『ロシア人観』が描かれていて大変面白かったのだが、唯一つ気になることがある。

作者のサーヴィス精神が旺盛なのか、感情の起伏が激しすぎるのか、どうも針小棒大的な物言いが多い。

特に、「ウォッカ」について。この本を読むと、全てのロシア男性は大酒飲みで、不景気の時はルーブルの変わりに、ウォッカが流通しているような錯覚に陥る。

だがロシアにだって下戸はいるはずだし、酔っ払っている父親を反面教師にして、酒嫌いになった人も考えられる。

ちなみに、酒乱だったエリツィンに比べ、プーチンは下戸ではないが、あまり酒は飲まないらしい。

さて話は変わって、今大相撲一月場所が開催中である。

近年外国人力士も、小錦や曙といったハワイ勢から、モンゴル、旧ソ連、中央ヨーロッパという、ユーラシア勢へと変わってきた。

どうやら国技館では神風が吹かないらしいので、モンゴル帝国の栄華は当分続くだろう。

そして碧眼のブルガリア、そしてロシアの力士。
堂々たる白い体躯と、無愛想この上ない表情が、土俵に緊張感と不思議な風格を醸し出している。

旧ソ連時代の圧制、そして崩壊後の混乱。耐え忍んできた寒い国の力士達は、きっと近い将来、優勝という花を咲かせることが出来るだろう。

その時の祝杯は、やはりウォッカだろうか。

ロシアは今日も荒れ模様