ジャクチュウ1まだ1月なのに、大宰府の飛梅が匂いそうな暖かい日、その天満宮の近くにある「九州国立博物館」で、『プライスコレクション 若冲と江戸絵画絵画』を楽しんできた。

ジョー・プライスというアメリカの一青年が、なぜ、若冲の絵にのめり込んでいったのか、何が彼を惹きつけたのだろうか、その謎を知りたかったが、自分のように絵画の素養のない者に、分るだろうか。

先ず、「葡萄図」

プライス氏の人生を激変させた作品の前に立ち、私にも何か変化があるかなと期待したが何もなかった。まぁ当り前か。

若冲にしてはおとなしい作品だと思う。でも蔓や葉の一つ一つが生き生きしている。

若冲というと派手な色彩や大胆な構図が思い浮かぶが、彼の真骨頂はこの生命力というか、躍動感なのだろう。

「紫陽花双鶏図」
かなりデフォルメされた鶏だが、その表情がただ者ではない。
とさかのポツポツまで克明に描かれたその顔は険しく、若冲自身の激情を表しているようだ。

そして「鳥獣花木図屏風」
実はこれ、私の中で想像が勝手に膨らみ、まるでゴーギャンの描いたタヒチの絵のようなトロピカルな、かつ巨大なものと思っていた。

実物は思ったより大きくなく、ところどころ色も落ちていて、多少くすんでいるようにも思えた。

もちろんガッカリなどしていない。逆にああ、これは日本の絵だな、としみじみ感じた。

象、アシカ、バク、火の鳥などなど、日本にはいない、あるいは架空の動物たちが派手な色彩で描かれていても、そこに描かれているのはまぎれもない日本の情景だ。

平面的でおだやかな表情で佇んでいる動物達を見て、横にいた家族連れの3歳くらいの女の子が「ぞうさんやらいおんさんやおさるさんがなかよくしてるね〜」と喜んでいる。

ここの動物たちは他と違い、躍動的というより、静謐で時が止まっているような印象だ。

若冲は、極楽浄土としてこれを描いたのかも。

それにしてもこの中の「火の鳥」手塚治虫の漫画そっくりだ。つか、手塚氏が参考にしたのかな。

さて、私にとってはキャパシティの大きすぎた絵画展。

一回ではとてもとても書ききれないので、これから少しずつ感想を書いていこうと思う。

ジャクチュウ