九州国立博物館の『プライス コレクション』には、若冲の他にたくさんの優れた作品が展示されている。
私がまず惹かれたのが、長沢芦雪。
この「白象黒牛図屏風」の、あっけらかんとしたおとぼけ加減を見よ。
屏風からはみ出している、白象さんと黒牛君。
そのそばで、白い小動物と黒い鳥が「な〜んちゃって!」と言ってるようだ。
象さんなんてこりゃ明らかに手抜きだよ、芦雪くん。
さて、打って変わって「牡丹孔雀図屏風」
この孔雀の羽の一つ一つの緻密でなんと美しい事か。
思わず見惚れて、しばらくの間、立ちすくんでしまった。
芦雪の他の作品、例えば「幽霊図」や「猛虎図」らも個性的だ。
「猛虎図」なんて私の目には、虎の鷹のハーフに見えてならない。
個性派ぞろいのプライスコレクションの中でも、やんちゃ坊主の芦雪は、長寿が多い日本画家としては異例の44歳の若さで亡くなっている。
絵を描くのが楽しくて楽しくて仕方がない。きっと彼はそんな風に、短い一生を駆け抜けたのであろう。
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