スオウ
映画『それでもボクはやってない』の周防正行監督の写真を見て、びっくりした。この人ずい分老けたなぁ。

『Shall we ダンス?』の時は、まだ若々しく、育ちの良い青年という佇まいだったのに。
その頃、雑誌の対談で、故淀川長治氏からも「君はいつまでも若いね」
などとからかわれていたのが、この変わりようは何だ。
美人の嫁さんから精気を吸い取られているのか。

ま、監督の容貌はともかくとして、11年ぶりの新作は、渋かった。
周防監督といえば、品の良いコメディというイメージだったのだが、
いつかは甘くなるだろうと思った柿は、結局最後まで渋いまま。

痴漢冤罪事件については、以前新聞によく取り上げられた事もあり、被疑者に対する理不尽な容赦ない扱われようは、聞いてはいても、やはり見ていて胸が切なくなる。

被疑者を演ずる加瀬亮は、『硫黄島からの手紙』でも、運の悪い憲兵くずれの兵隊をやっていたが、この作品でも、おっとりしているようで変に意固地な性格が、すべて悪い方悪い方に出ている。

また、小日向文世が、煮ても焼いても食えない、鵺(ぬえ)のような裁判官を見事に演じている。こんな人ホントにいそうで、背筋がぞっとする。

だが、数々の災難はあっても、この被疑者には応援してくれる親や友だちがいるし、頼もしい弁護士の存在もある。

もし私が何らかの冤罪に巻き込まれた場合、味方になってくれる友が果たしているだろうか?
「う〜ん、あの人ならやりかねませんね」などと逆に言われそうだ。

そんな訳で、あらためて、家族や友人は大事にしよう。

周防