DVDで、『ナイロビの蜂』を観た。ナイロビ
昨年の公開当時から気になってはいたのだが、「アフリカを舞台にした壮大なラブストーリー」「巨大な陰謀に立ち向かう美しき妻」といったイメージが先行して、どうも自分には敷居が高すぎると思い、見逃していたのだ。

あらためて、後悔した。ビデオでなく、やはり劇場で観るべきであった。

広大な大自然、果てしなく続く赤茶けた大地、カラフルな装いアフリカの子ども達・・・。

その美しさは、主人公のレイフ・ファインズの前の作品『イングリッシュ・ペイシェント』の乾いたサハラ砂漠を彷彿とさせる。

さて、原題『コンスタント・ガーデナー』にもあるように、主人公ジャスティンは、庭いじりが趣味の典型的な英国紳士だ。真面目で誠実ではあるが、日和見的な、面白みのない男である。

そんな彼が活動家でエキセントリックな女性、テッサ(レイチェル・ワイズ)に出合って人生が変わる。と言うか、妻の死によって彼は変わっていくのだ。

なぜこんな正反対な男女が恋に落ちたのか不思議だ。
もしかしたら、お互い、気がつかなかったもう一つの自分を、相手に見い出したのかもしれない。
蛇足だが、私は、テッサが、ジャスティンの外交官という地位を利用するために近づいたのではという疑惑がしてしょうがない。

ところでこのジャスティン、妻がアフリカでどんな危険な仕事をしているのか、調べようともせず、相変わらず庭いじりに没頭していた。

いくら仕事でお互い干渉はしないと約束したとは言え、あまりに鈍感すぎないか。

そして妻が不審の死を遂げ、その活動が段々分るにつれ、ジャスティンは変わっていく。

「愛しているから夫を巻き込みたくなかった」とう妻の気持ちは真実だと思うが、男にとってこれは屈辱的な言葉ではないだろうか。

彼のその後の一連の行動は、妻への愛でもあるが、コケにされた夫の魂の救済の戦いでもあるような気がする。

ナイロビの蜂