d1映画『ドリーム・ガールズ』を観た。

’60年代、アメリカにモータウンレコードが生まれ、隆盛期を迎える頃とおぼしき時代に現れた、3人のコーラスグループの栄光と挫折、そして再生の物語である。

モータウンサウンドは昔から大好きだったので、懐かしき60年代の映像と共に、大いに楽しんだ。

出来ればすべてのセリフを歌にしてもらいたかった。それ程、ソウルミュージックファンにはたまらない作品だ。

ところで、この作品でアカデミー助演女優賞候補になっているジェニファー・ハドソン(エフィー役)だが、この人どう見ても主演だろう。

パンチの効いた歌唱力もさることながら、際立った存在感がある。
太めでおへちゃで、ちょっと不二家のペコちゃんのようだが、このドラマの主軸は彼女だ。

それに比べ、ビヨンセ(ディーナ役)は影が薄い。
もしかしたら、無個性で、おとなしい役柄を演じきっているのかもしれないが、
美人なのに表情の陰影が乏しく、まるで色の浅黒い君島十和子さんのようだ。

音楽プロデューサーのカーティスは最初、白人の、自分たち黒人に対する不当な扱いに怒り、またルーサー・キング牧師の演説をレコードにするなど、夢と希望と正義に燃えていたのだが、ショー・ビジネスが軌道に乗ってくるに連れ、「ソウル」ではなく「白人に受ける事」に重きを置くようになる。

そして、太めでおへちゃなエフィーに変えて、美人のディーナをリードボーカルに据えるのである。

たしかにエフィーのような、「あそび」のない、F1レーサーのようなボーカルは、聞きようによっては重すぎる。控えめで無個性なディーナの声の方が味付けしやすいのだろう・・・。

さて、現実の「モータウンレコード」もかなりアーティストに対して締め付けが強かったようだ、私生活の品行も含めて。
日本における「ジャーニーズ事務所」のようなものか。

だから独立するのは大変で、やっと一本立ちしても、数々の嫌がらせで潰されることが多い。

それに打ち勝った数少ないアーティストがマイケル・ジャクソンだ。

「モータウンレコード創立25周年」のライブに、哀願されて招待されたマイケルは、自分を苦しめた古巣の幹部らの前で、堂々と新作「ビリー・ジーン」並びにムーンウォーカーを披露する。

人生最良のときだったであろう。

だが、彼は「モータウンレコード」との戦いに運を使い果たしたようだ。

その後の変わりようは言わずもがなであろう。

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