成毛ギタリストの成毛滋さんが3月29日、大腸癌のため亡くなった。60歳だった。

今度男に生まれたら絶対ギタリストになると誓っている私にとって、砂漠の空に輝く南十字星のような存在だった。

70年代初め、まだロック未開発国だった日本において彼は、パイオニアであり生きた教則本であった。

彼の凄いところは、日本人離れのリズム感覚やテクニックはもとより、音楽について、豊富な知識と、しっかりとした理論を持っていたことだ。

以前、彼の担当するラジオ番組があり、毎週楽しみに聴いていた。

その番組で彼はドクター・シーゲルとして聴取者たちにギター講座を開き、ロックについて語っていたのだが、異様にトランジスタ・アンプをけなし、真空管アンプを進めていたのが印象に深い。そして2言目には「電気店を信用してはダメです」「いんちきギタリストには気をつけましょう」

・・・・・高度なテクニックを持っていたにも関わらず、彼が表舞台から消えてしまった理由もわかる気がする。

成毛氏は、高中正義ら多くのミュージシャンに影響を与えたが、日本独自のJ・POPが主流の今、もう時代遅れなのかもしれない。

だが、このギターを持った頑固な横丁の親父の想い出は、いつまでも消えないだろう。