エディット私は、わがままな人が、わりと好きだ。憬れているのかもしれない。

家族とかだったら困るが、友人ぐらいであれば、その天真爛漫な言動を「しょうがないなぁ」と思いつつも、目を細めて見ている。

自分のわがままを通すには、かなりのエネルギーと勇気がいる。人とぶつかる事も多い。

そんなシンドイ思いをするより、適当に人に合わせて物分かりの良いふりをしている私は、結局、衝突するのが怖い臆病者なのだろう。

さて、映画『エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜』を観た。

エディットが5歳くらいだろうか、育児放棄の母の代わりに、祖母の経営する娼館で娼婦らに育てられ、やがて大歌手へと成長していく姿を描きつつ、薬と酒でボロボロになった晩年の姿を織り交ぜる。

その壮絶な人生には圧倒される。

そして彼女はつねにわがままだ。

40代で既にアルコール中毒と薬物中毒で、まるで老婆のような姿。

ある意味、自業自得なのだが、それが彼女の生き方なのだろう。
凡人には、破滅的な人生にしか見えないが。

それにしても、エディット役の女優、マリオン・コティヤール。
実際は、32歳の美人女優なのだが、
まるで神がかり的だ。

マリオン自分に自信がなく、上目遣いでオドオドと挙動不審な20歳のピアフ、そして絶頂期、恋に落ちるが、悲しい終わりを迎え、やがて破滅に向って転がっていく姿。

とくに晩年のエディット(といってもまだ40代だが)、まるで80過ぎのばあさんのようだ。とにかくすさまじい演技力である。

ところで、名曲『愛の賛歌』。日本では岩谷時子さんの訳詩で有名になったが、実際の歌詞はもっと過激だ。

他の人の対訳を読む限り、歌詞の内容は、奥村チヨさんの『恋の奴隷』に近いなあと思った(つか古すぎっ)