PCの調子が悪く、ただ今ネットカフェを利用している。

自分はネット中毒者ではないと思っていたのだが、いざ使えないと、大げさな話、孤島に取り残されたような寂寥感にさいなまれる。困ったものだ。

ネットカフェ料金もちりも積もれば高くなるし、新しく買い換えるのもなぁ・・・・。悩み多き秋の夕暮れ・・・。

さて、そんな悶々した日々の中、近藤紘一著『サイゴンから来た妻と娘』を読んだ。

彼はサンケイ新聞の特派員だが、外交官の娘だった妻を亡くしている。死因は自殺。

フランスの帰国子女だった妻は、日本の生活に馴染めず、その後近藤氏と結婚したが、夫の赴任先の東南アジアにも馴染むことが出来なかったらしい。

その後、氏は、赴任先のサイゴンで、一人の女性と出逢う。

自分より年上で美人でもなく、学歴もない飲み屋の女性に、氏はなぜか一目ぼれし、その後同棲、結婚。そして12歳の妻の連れ子を連れて日本に帰ることになる。

その数年後、サイゴン陥落。

物語はベトナムの戦中戦後を追いながら、氏と妻と娘の生活ぶり、カルチャーショックを語っている。

まずこの妻の逞しさ、したたかさには驚いた。

可愛がっていたうさぎを、次の日には食べてしまってケロリとしている。

娘に対しても、まるで虐待とも思える体罰主義で、夫のほうがオロオロする始末だ。

そういった厳しさと強さがなければ、日々戦争の中、暮らしていけなかったのだろう。

このサイゴンの妻は自殺した前妻と性格には正反対だったと思われる。

でも氏は、転勤の先々で前妻の遺影を飾っていたらしい。

さて、この本は、あとがきで、サイゴンの郊外に予約してあった近藤氏の墓所が新政府によって処分されたと嘆いている。

その8年後、1985年、氏は胃がんで亡くなる。45歳だった。

夫人と娘は今パリで生活しているらしい。

サイゴンから来た妻と娘 (1978年)