来月2月10日、第50回グラミー賞が発表される。

最多ノミネートは、もはや常連のカニエ・ウエストだが、エイミーやはり注目は、4部門ノミネートのエイミー・ワインハウスだろう。

初めてこの人の楽曲を聴いた時、まるで60年代のモータウンサウンドが、タイムマシーンに乗って現代に迷い込んだような気がした。

野太く、きわめて深みのあるボーカル。アレサ・フランクリンやサラ・ボーンを彷彿させるような。

てっきり黒人の中年女性と思ったら、20歳すぎの若い白人のイギリス人と知り、びっくりした。

彼女のアルバム『BACK TO BLACK』を聴いてみる。

まさに王道のR&Bだ。

深みと艶のあるボーカルは時に重たげに、または脱力しつつ、ゆったりとリズムをきざむ。

懐かしいレトロ感さえただよう楽曲の中には、ヒップホップは入っていない。これは正解だ。

ヒップホップは崩れた不良っぽさが良いのであって、彼女のような完成されたボーカルには似合わない。

そんな極めてオーソドックスなR&B歌手であるエイミー・ワインハウスだが、私生活では、薬物中毒やアルコール依存症、異常行動などゴシップに事欠かない。現在、夫が逮捕拘留されており、彼女も数度の逮捕歴がある。

彼女のヒットシングル『Rehab』の歌詞などは、「みんな私をリハビリ施設に入れようとするけど絶対行かないもんね〜」という内容だ。

いまやブリトニーを軽く超えるお騒がせキャラである。(ちなみにエイミーの方が2歳若い)

でも考えてみれば、クスリやアルコールに溺れるミュージシャンなんて星の数ほどいる。目新しいことではない。

つまり彼女は悲しいほど古風で破滅的な、王道のミュージシャンなのである。

来る2月10日、リハビリ施設からの生中継で、栄誉あるグラミー賞のパフォーマンスをするエイミーが見られるかもしれない。