本人はあまり映画に興味がないので、私が、「似とるねぇ」と言っても「ふ〜ん、」と、無関心だ。
でも叔母ちゃんは、可愛い甥の姿と重ね合わせてしまうので、彼の出る映画はどうしても気になってしまうのだ。
さて、トニー・レオン(梁朝偉)、金城武主演の映画『傷だらけの男たち』をDVDで観た。
実は劇場公開時からこの作品は気になっていたのだが、何せこの題名「傷だらけの男たち」。。。。。
こんなダサダサなタイトル、今どき、どんなB級アクションドラマでもつけないぞ。
これでは主演2人のファンか香港映画マニア以外、観に行かないと思うが。
さて内容だが、2003年クリスマス、トニー・レオン演ずる刑事のヘイと、その部下の金城武演ずるポン(どうでもいいが主演者のネーミングもどうかしてくれないか)が婦女暴行犯を逮捕する。そしてその夜、ポンの恋人が自殺する。
その3年後、傷心のポンは警察をやめアルコール依存症の私立探偵となっている。そして彼はひょんなことから元上司ヘイの義父(妻の父親)の惨殺事件を調べることになるのだが・・・・・・。
実は真犯人は最初から見え見えで、だからこれは謎解きやサスペンスものというよりも、自分の許容量以上の悲しみに見舞われたとき、人はその心の傷とどう折り合いをつけていくのか、果たして救われるのか・・・そんな魂のドラマである。
観終わった後、なぜか『砂の器』そして三浦綾子の『氷点』を思い出した。
もうひとつのポイントは、物語のスタートが2003年ということだ。この年は香港でSARSが大流行し、また4月には、一時代を築いた香港のスター、レスリー・チャン(張国栄)が自殺している。
実は香港の街そのものが深く傷ついていたのだ。
それにしても金城武は立派になった。「恋する惑星」の頃の、失恋してしょぼんとしていた刑事が、こんな味のある酔いどれ探偵になるなんて。
でも、少年ぽさは失っていない。そして澄んだ瞳の元部下を慈愛深く見守るトニー・レオンの大人さ加減も良い。
さて、くどいようだが、題名『傷だらけの男たち』はやはり間違っていると思う。
傷ついているのは男たちだけではないのだから。
もし私がタイトルをつけるとしたら。
『汚れちまった悲しみに』はどうだ・・・・・・。
・・・・・・う〜んダメだ。ますますお客、どん引きしそうだ。
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