憧れている都市の一つに、宮城県の仙台市がある。

 今だ行ったことがないので勝手な想像だが、涼やかでしっとりした杜の都というイメージなのだ。

ごみごみとした暑苦しい北九州などと比べ、整然と落ち着いて、さぞ学問などに打ち込むにはふさわしい場所かなとも想像する。

だれが犯人?さて、伊坂幸太郎氏の同名小説を映画化した『アヒルと鴨のコインロッカー』というDVDを観た。舞台は、その仙台だ。

仙台の大学に入学し1人暮らしを始めた椎名と、同じアパートの隣人との不思議な友情と、少しずつ明かされる思いがけぬ過去。

最初、隣人のセリフの棒読みに、「下手な俳優だな」と思ったのだが、途中でその理由が分かってくる。

伏線作りが絶妙で、観終わった後、思わずうなってしまったが、惜しむらくは、真相が分かるのが早すぎた。

もっとラスト近くで分かった方が、驚きが大きいと思うのだが、この物語はいわゆるサスペンスとは違うので、これはこれで良かったのかもしれない。

とても秀逸な作品だが、気になった点が2つある。

まず引っ越してきた椎名が、アパートの住人にお土産のお菓子を配るのだが、それが「吉野堂」のひよこなのだ。

「ひよこ」は福岡の筑豊飯塚が発祥の地で、福岡の銘菓だ。

東京から来た椎名がなぜ「ひよこ」を配るのだろうか。

コインロッカー単にスタッフの間違いか、それとも椎名のおっちょこちょいを演出するためか。

もう一つは、ある登場人物の言葉、「僕が外国人だったら君は相手をしてくれないだろう」というセリフだ。

他にも大学生やバスの運転手が、外国人に対して冷たい態度をとるシーンが印象に残っている。

私の住む福岡では、外国から来たということで、逆に人気者になることはあっても、そんなに冷たい扱いはされないと思う。

これは福岡人の持つ、新しいものをすぐ受け入れる進取の気質だろうか。

だが、福岡人は飽きっぽいところもある。

親切さや情の深さが長続きするかというと、そうでもないのだ。

逆に仙台の人の方が、最初は取っ付きにくくても、付き合いが長くなるにつれ、親交が深まるような気がする。

そんな訳で、これから日本に来られる外国人の方。短期留学だったら福岡、ゆっくり学問を修めたいのなら宮城県をお薦めする。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)