秋葉原の事件から、1週間が過ぎた。

この事件を知ったとき、真っ先に頭に浮かんだのが、9年前に起きた、下関駅通り魔殺傷事件である。

当時、通勤に下関駅を利用していたので、事件の日の夜、ホームに残された生々しい血痕や、白いチョークで描かれた、殺された方の人型などを思い出す。

1999年9月29日16時過ぎ、犯人の上部康明(当時35歳)は、レンタカーで下関駅構内に突っ込み、7人を跳ねた。
その後、包丁を手に駅の改札を突破し、ホームを駆け上がりながら人々を刺していった。

車に跳ねられた7人のうち2人が死亡、包丁で刺された8人のうち3人が死亡。10人が重軽傷を負った。

車の突入から逮捕まで10分余りの出来事だった。

犯人の上部は教育者の家庭に生まれ、高校は山口県でも屈指の進学校、一浪して九州大学の工学部建築科に進む。

だがその頃より人間関係で悩み、対人恐怖症に陥り、大学を卒業したものの、無職のまま、精神科の治療を受ける。

やがて働き始めるが、どこも長続きしない。

だが一級建築士をとったのをきっかけに、父親の援助を受け事務所を開く。結婚もする。

やっと順調になってきたかと思ったが、元々対人恐怖症のため、人付き合いが下手なせいか仕事が取れず、失意のうち事務所を閉鎖する。そして妻も去っていった。

ここでなぜかニュージーランド移住を考え、その資金作りのため借金をして運送業を始める。

だが運の悪いことに1999年9月24日、大型台風が下関を襲い、上部のトラックは水没し、廃車となってしまった(確かに大きな台風で、私の職場も床下浸水の被害を受けた)

そしてその4日後、5人が死に10人が重軽傷を負う、惨事を引き起こすのである。

上部はのちに、「池袋事件のようにナイフだけでは大量に殺せないので、車を使った」と供述したという。

3週間前、東京池袋で、やはり通り魔事件があったのだ。

このたびの事件、どうか負の連鎖が起きないよう、心より願う。

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