「三国志」の中でも有名な「赤壁の戦い」をテーマにした中国映画『レッド・クリフ』の情報を知り、このさい予習も兼ねて、昔いい加減に読んでいた「三国志」を読み直している。ちなみに吉川英治版だ。

今六巻目だが、ちょっと気力がダレてきた。

何故ならお気に入りの武将、呉の周瑜が病死してしまったからだ。

周瑜は呉の孫策、孫権に使えた名武将で、眉目秀麗、歌舞音曲にも精通した風流人でもある。

魏の曹操との会戦「赤壁の戦い」では呉軍を勝利に導いたのだが、その後、劉備の軍師、諸葛孔明に自分の企てのことごとくを見破られ、翻弄され続け、最後は血を吐いて死んでしまう。

彼の死はまるで企業戦士の、ストレスによる過労死のようだ。

社長である孫権はまだ若く、思慮が足りず、第一マザコンだ。

同じ職場の仲間、魯粛は温厚で人はいいのだが、情が深すぎて詰めが甘い。

諸葛孔明と何度も交渉をするのだが、その度、相手の言いなりになりコロッと騙される。

まったく使えないオヤジなのだが、人徳のせいか何度失敗しても処罰を受けることも、殺されることなく、ましてやストレス死することもなく、順調に出世していくのだから皮肉なものだ。

そんな中、孤軍奮闘し、わずか36歳の若さで死んでしまう周瑜が不憫だ。

考えてみれば彼は、曹操や劉備といった、煮ても焼いても食えないオヤジを相手に必死に突っ張り、挫折した若手エリートというべきか。

さて、映画『レッド・クリフ』だが、その周瑜が主役だ。

「赤壁の戦い」という彼の人生一番輝いていた頃が舞台だが、その後まもなく病死するのだと思うと切ない。

予告編を観ると彼と諸葛孔明が仲良く語らっていたり、琴の競演をしているシーンがあるので、吉川版三国志とはまた違う、二人の友情が見られるかも知れない。

それにしてもこの邦題・・・『レッド・クリフ』・・・。

「レッド・スコーピオン」や「クリフ・ハンガー」みたいで、まるで大味のアクション映画みたいだ。

原題通り『赤壁』にすれば、普段映画に行かない、三国志好きの中高齢者も劇場に足を運ぶかもしれないのに。
そんなに中国の匂いを消したいのか。

大体、上映日だって、中国や香港、台湾、韓国は7月10日なのに、日本だけなぜか11月だ。

ハーフの金城くん

中国映画ファンの苦悩は続く。