雀鬼?あと2週間ほどで2008年も終わる。

今年も色々な映画を見てきたが、最も心に残った作品は、『ラスト、コーション』、その次が『ダークナイト』だろうか。

どちらも、劇場で観終わった時は、そうでもなかったのに、時間が経つにつれ、じわじわと広がっていき、やがて頭の中はその映画のことで一杯になった。

特に『ラスト、コーション』は何度観ても飽きることがなく、常に新しい発見がある。

なぜこんなに、はまってしまったのか、つらつら考えてみるに、戦前の香青色1号港や上海のレトロモダンな雰囲気、その時代の空気感にすっかり取り付かれてしまったようだ。

上海の街並み、レストラン、喫茶店などのインテリア。
瀟洒な洋館の部屋の壁紙、調度品の一つ一つがシックでうっとりするが、何といってもヒロイン、ワン・チアチー(マイ夫人)の身にまとうチャイナドレスの美しさにクラクラした。

ワン・チアチーを演じたタン・ウェイは、映画の中で20着以上のチャイナドレスを着たそうだが、見た感じ、そんなにとっかえひっかえ着ていた印象はない。

それは、彼女の着るドレスが、柄は違っても、ほとんど寒色系の青で統一されているからだ。
青色2号またその上に羽織るコートや帽子も、紺か茶系である

チアチーは実は清貧な女子大生で、衣装代は、国民党の工作員が調達している(香港時代は、金持ちの学生仲間が)

若い女の子なら派手なものに手が行きそうなのに、この趣味の良さはなんだろう。
チアチーのセンスか、スパイだから目立ってはいけないという配慮か、もしくはターゲットの易先生の好みをリサーチしたのか。

またドレスの素材や仕立ての良いこと。
質の良いなめらかなシルクが肌と溶け合い、細かな手縫いで柔らかく体を包んでいる。

青色3号原作にもあったが、チアチーのドレスの立ち襟は、小さめで愛らしいし、易夫人やそのマージャン仲間である高官夫人のドレスもそれぞれ艶やかで格調高い。

しかし、それらの美しさは、南京政府の高官が住む地域に限られたものだった。
街中では貧民があふれ、道端には死体が転がっているのだから。

そんな訳で、もし生まれ変わったら、中国の高官夫人となって、毎日麻雀三昧の暮らしをしたいと、アホなことを考えている今日この頃である。

ごろにゃん