一昨日の昼、街を歩いていると、ひらひらと白いものが落ちてきた。

「雪だ」

九州北部では毎年、1月の終わりから2月にかけて雪の降る日がある。

そう言えば今日はやけに冷え込むし、街の音も静かだ。

「積もるかもしれない♪」

何となくわくわくした気持ちでオフィスに向かう。

夕方5時。会社の休憩室の窓を見ると一面銀世界!!

職場の友人たちの、帰りの道路が渋滞するだの、JRが遅れるだの、明日雪が積もって出勤できなかったらどうしようだのボヤキにうなずきながらも、心の中は嬉しくて庭かけ回りたくなるのをぐっとこらえる。

夜の帰り道、家の前の坂道も真っ白な雪でほのかに明るい。

北海道のパウダースノーとは程遠い、しっけのある重い雪だが、積もったばかりのそれは、踏み込むたびにキュッキュッと音がして幸せな気分にさせる。

「どうか明日はもっと積もっていますように・・・・・」

翌朝、寒い中飛び起き、一番に窓の外を見る。

・・・・・でもそこに私の願った風景はなかった。

家々の屋根や道路の端に残雪がへばりついているだけだ。そして冷たい雨に変わっている。思ったほど気温が下がらなかったらしい。

束の間の銀世界は一晩で遠い空に消え、変わらない日常がまた始まった。

一夜の雪